手数料の魅力

おはようございます。🐤

初めてNFT NEWS Japan.に投稿させていただきます、ヒヨコロと申します。ふだんはDeFiに関するブログや本を書いたり、BSCのアルパカファイナンスというプロジェクトの日本語コミュのmodをしたりしています。

早速ですが、今日は「手数料」のお話をしようと思います。

なぜ手数料? そんな地味な…クリプトっぽくないな… と思われそうですが、それは僕が大好きなテーマだからです。僕のモットーは「手数料を笑うものは手数料に笑われる」です、今日のお話を聞く前と後とでは手数料についてまったく違う感情をいだくと思いますよ~。今日のお話の流れはこちら。

こんな流れで進めます、損はさせませんので、よければお付き合いください。

日本の銀行の手数料

先日、ゆうちょ銀行がATMでの硬貨預け入れに手数料をとることになったというニュースがありました。1月から1枚〜25枚の硬貨の預け入れに110円の手数料がかかることになります。

また、三菱UFJ銀行は4月から新規口座の紙の通帳の発行に年間550円の手数料をとることになりました。これで1年前から既に手数料をとっていた三井住友、みずほの3つのメガバンクが足並みをそろえたことになります。

住宅ローン利率が1%を下回り、企業も余計な借金をしたくない今のご時世では、これまでのように預かったお金を貸しだして利益を生むことに限界があるのでしょう。銀行は手数料ビジネスにかじを取り始めています。

さて、日本の銀行の手数料収入の合計額は、年間およそ2.3兆円です。日本国民一人あたりがざっくり2万円ちかく銀行になんらかの手数料を支払っている計算です。(参考:全国銀行協会 2020年度決算資料

2.3兆円…ピンと来ませんよね。ちなみに、もしあなたが2兆円持っていたら何に使いますか?

  • ディズニー映画を作りたい400本くらい作れます
  • フェラーリが欲しい…毎日買い替えても使い切るのに137年かかります
  • ホストクラブ通いしたい…毎日ピンドン入れても使い切るのに5480年かかります
  • 叙々苑で毎日シャトーブリアンを食べたい27.4万年かかります

いやイメージわかんわ! ほんの数百円、とるにたらないものと思っていた手数料が、こんな小さな島国でも積もり積もるとどれだけの力になるか少しでも脅威に感じていただけたでしょうか。

クレジットカード会社の手数料

さて、見えない手数料の代表といえばクレジットカードです。

クレジットカードで買い物をすると、1回払いにしている限り手数料がかからないし、なんだったらポイントがもらえて、現金よりお得な不思議なサービスです。

では、カード会社はどこから利益をあげているのでしょうか。それは加盟店から、つまり、僕たちが利用するお店から手数料をとっています。その率は、業種や規模によって個別に決められていて公表はされていません、しかし、おおむね3%〜5%くらいと言われています。

つまり、お店が100万円売り上げたら3万円〜5万円、1億円売り上げたら300万円〜500万円の手数料を、お店はカード会社に支払います。

具体的に想像してみましょう。最後までクレジットカード導入をしぶっていたイタリアンレストラン「サイゼリヤ」を例にとってみます。(僕が大好きだから例に出しただけで、他のお店でも同じです)サイゼリヤの1店舗あたりの売り上げはおよそ8470万円/年とします。(参考

1ヶ月あたりにすると700万円の売り上げがあり、仮に8割のお客さんがカード払いだったとすると、お店は22万円程度の手数料をカード会社に支払います。

このお金で店舗は何ができるでしょうか。週末にスタッフを2人増やすことができるかもしれませんし、業務効率化のための設備を導入できるかもしれません。手数料の支払いがあることで、僕たちはより良いサービスを受けることができるはずなのに、カード会社に支払いをすることでその機会を逃しているのです。

手数料は、僕たちからは見えにくくても、じわじわとお店の利益、ひいては僕たちが受けるサービスの質を圧迫しているのがわかっていただけると思います。

クリエイターにからむ手数料

さて、もうひとつ、クリエイターさんがつくる作品にからんでくる手数料のことを考えます。

芸術家、作家、音楽家、アニメ作品、映画などの作品を作るクリエイターさんたちは、これまで企業に搾取されてきました。それはなぜかというと、クリエイターの力だけでは世の中に作品を届けることができなかったからです。

例えば紙の本を考えてみます。紙の本、1冊1000円として1万部売れたら1千万円の収入ができますが、このうち本を書いたクリエイターさんの収入となるのは10%程度と言われていて、残りの90%は、出版社さん、印刷会社さん、運送会社さん、本屋さんなどの収入になります。

僕のイメージでは、本の中に書いてある情報に大半のお金を支払っていると思っていたんですけど、ほんとは中身の情報には10%程度しか支払っていなくて、90%ほどは情報じゃないところにお金を払っていたんですね。

たとえばえなこりんの写真集を3,000円で買ったとして、えなこりんにはたった300円しかいかないんです……それは寂しい。

では、今の時代……Kindleでの出版であれば、印刷も本屋さんも不要で、流通はネットワークを使わせてもらうのでとても手数料が安くなった結果、Kindle本の売り上げの70%はクリエイターさんに入るしくみになっています。

残りの30%は、Amazonの収入になります。

真ん中にお金持ちがいない新しい世界

さて、銀行やカード会社のようにたくさんの資金をもっている金融機関が、僕たちやお店の経営者から気づかないうちにちびちびと小銭をむしりとってどんどん太って大きくなってきている世界が見えてきました。

また、出版社やAmazonのような大企業がクリエイターから一定の割合でその成果をとっている世界も見えてきました。

手数料を制するものが世界を制しているのです。

さて、ここまで「手数料はすごい」といっておいて何なのですが、みなさんは手数料がお好きですか? それでもまだ抵抗があると思います。

  • お金持ちにばかりお金が集まる世界って…なんかズルい!
  • 出版社とかじゃなくてクリエイターさん個人に大部分のお金を支払いたい!

ですよね、そこで2つの提案です。

  • あなたの手持ちの資金から手数料収入を得てみたくないですか?
  • 自動化プログラムを通して、クリエイターさんに直接支払えます!

どちらも共通して「仲介者をなくす」ことが目的です。この2つの夢を実現することができるのが、DeFi(Decentralized Finance=非中央集権型金融)、つまり個人と個人の間に銀行や企業などの仲介をはさまない経済のしくみです。

DeFiのある世界

DeFiのある世界では、銀行の建物やATMの機械、窓口の職員などがいらなくなるので、お金のやりとりにかかる手数料はとても安くなります。

ATMがないとお金がおろせないですって?
お金はおろさなくていいのです、紙幣や硬貨は使う必要がなくなるのですから。PayPayやクレジットカード払いに慣れている人ならその感覚はわかっていただけると思います。

そして、資金は一般のユーザーからも広く浅く集め、お金持ちも一般のユーザーもみんな平等に手数料収入を得ることになります。プログラム化された自動の資金プールに資金を提供しておくと、そこから自動的に借りたい人などのもとへ行って、あなたのお金が働いて勝手に増えてきてくれます。

そうするとどうなるでしょうか、中間で商品とお金の仲介をしていた企業などが必要なくなり、「お金持ちにお金が集まってくる」しくみが薄まります。

また、個人のクリエイターが企業などに搾取されることなく自由に自分の作品を発信し、生活のためにアルバイトしなくても創作活動で食べていける、そんな世界になるのではないでしょうか、僕はそんなことを夢見ています。

まとめ

ということで、今日は「手数料」の魅力についてお話ししました。

  • 銀行などの金融機関がとっている手数料は実は莫大
  • クレジットカードやPayPayも実はお店が手数料を支払っている
  • DeFiは僕たち一般人が手数料をもらう立場にたてるしくみ
  • 手数料が安くなれば、お店も僕たちも喜ぶ
  • クリエイターもファンも喜ぶ
  • その代わり、中間で利益を得ていた企業などの利益が薄くなる

いつの間にか「手数料」ではなく「DeFi」の魅力について語ってしまっています。DeFiの魅力のひとつは間違いなく手数料だと僕は思いますが、思想的にも、お金のやりとりの中心に企業がいるのではなく、自動化プログラムがいる方が効率的で、不公平もないですよね、というお話でした。

今日のお話がみなさんの意識改革のお役にたてることができたらうれしいです。

これからも、「日本円からDeFiへの最安ルート」とか「最適な複利の回数」とか「ガス代の計算方法」など、DeFiや投資、日常生活にかかる手数料に関する細かいお話をたくさんしたいので、そんな話がお好きな方はぜひ楽しみにしてください。

NFTのお話はあまり出てきそうにないけど良いのかしら…NFT NEWS Japanなのに…(;^_^A

というわけでまたお会いしましょう、それではまた、DeFi~(@^^)/~~~

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