イケハヤ氏、保有NFTを低価格で報復売り、業界に波紋

NFTインフルエンサーとして知られるイケハヤ氏が22日、自身が保有するNFTの一部を低価格で売り出し、一部では「報復売り」だとして業界に波紋を広げている。

イケハヤ氏の提唱する「絆NFT」「ガチホNFT」

発端は、6月21日までに、イケハヤ氏と関連のあるNFTコレクション銘柄のNFTを、一部ユーザーが二次出品、転売などしたことによる。

イケハヤ氏は日頃からNFT絆論・ガチホ論(※関連記事参照)を提唱しており、「NFTは売らずにガチホしてフロア価格上昇に貢献するべき」「NFTを売却するユーザーは敵である」との価値観を持つ事で知られている。

イケハヤ氏が運営に関わるNFT銘柄や、関係性の強い銘柄、または「NFT絆論・ガチホ論」に賛同するNFTコレクションを指して「絆NFT銘柄」「NFTガチホ銘柄」等と称される。

今回の一連の騒動は、イケハヤ氏が、NFTを転売したユーザーに対して怒りをあらわにし、糾弾することにより騒動となったものである。
同氏がNFTを売却したユーザーを糾弾することは通常業務の範疇であり、これまで幾度となく繰り返されてきた。 同氏は、NFTを売却される度に、自身の発信媒体を利用して相手方を糾弾し、敵だとして名指しした上で排斥してきた。
そうすることにより、自身の価値観に沿った動きをしない者を敵として自身のコミュニティから排斥し、外部との軋轢を強め、それにより自身のコミュニティの内部結束を強めてきた歴史がある。

関連記事>>日本特有の絆NFT、ガチホ文化に関する分析と考察

イケハヤ氏関連NFTを売ったユーザーに対する報復売り

今回、イケハヤ氏のNFTを転売したのはNFT界隈において一定の知名度を持つクリエイター(ヨシオカ氏)であり、イケハヤ氏自身も同クリエイターのNFTを保有していた。

イケハヤ氏自身が保有しているヨシオカ氏のNFTを、フロア価格よりも極端に低い価格で売りに出した。 それに対して周囲からは、悪意のある報復売りだと糾弾する声が上がっている。

また、LAGというNFTコレクションのFounderの1人である仮想筋肉氏が、イケハヤ氏のコレクションCryptoNinja NFTの個体を1体20ETHで売りに出した。 それにより、イケハヤ氏が自身の保有するLAGを15体、オファーを受ける形で売却した。 それに対して周囲からは、「NFTを転売する行為はクリエイターにリスペクトの無い行為だからガチホしろと言っていたのに、自分も同じことをしているではないか。」と非難の声が上がっている。

イケハヤ氏は、クリエイターやチームが必死に作っているものを売るなどという行為は許せないなどと反論している。

時系列順に事実関係を説明した後、意見を述べる。

事実関係の整理(時系列)

  • 6/16 22:00
    Love Addicted Girls(LAG)のファウンダー(仮想筋肉氏)が、CryptoNinja #009(餡音 Anne あんね)を、20ETHでリスト。
  • 6/22 10:00
    その後、リスト取り下げ。(自動的にリスト期間終了した可能性あり)
    >>OpenSeaリンク
  • 6/21 5:08
    ヨシオカ氏が、Live Like A Cat -neko no youni ikiru-(LLAC) を0.9ETHでリストし、二次転売成立。
    >>Etherscanリンク
  • 6/19 20:20 ~ 6/21 14:36
    TheMafiaAnimalsSoldiers(TMAs)を、ホルダー5名がオファーをアクセプトして売却し、フロア価格が下がる。
  • 6/22 17:00
    その後、イケハヤ氏がTMAs9体を二次購入(スイープ)
  • ファウンダーのRii2(@rii2_4)氏も続き、フロアスイープ。
    TMA(Rii2氏の元のNFTコレクション)メンバーもこれに続き、フロアスイープ。
    コレクションのフロア価格を回復させる。
  • 6/22 18:19
    イケハヤ氏がLAGを15体、オファーをアクセプトし二次売却

意見

以前に以下の記事でも述べたが、NFT市場とはもっとフリーで平和であるべきだと思う。

関連記事>>日本特有の絆NFT、ガチホ文化に関する分析と考察

さまざまな人がNFTのプロジェクトを立ち上げ、思い思いの価値観から独自のルールを作り上げ、マーケティングの一環として様々な価値観を世に浸透させようとしているのが、黎明期のいまの混沌とした市場である。

それ自体は良くも悪くもないことだが、あらゆる「NFTべき論」(NFTかくあるべし、こうするべしという理論)のおしつけは、不必要に分断と軋轢を生むことに繋がってしまう。
大切な事は、「NFTを使って何をしたいか、どうありたいか、どうなりたいか?」ということではないだろうか。

つまり我々は、NFTを通して精神的により豊かにもなれるし、貧しくもなれるのだ。

思想信条の合わない人達とは無理して関わる必要は無いと思うが、考えの合わない人達だからといってむやみに敵対する姿勢をとることは、業界全体にとってプラスになるだろうか?

NFT界隈に限らず、世の中には様々な思想信条の方々が存在する。
日本が特殊なだけで、グローバルで見れば、そもそも考え方が合わないことの方が普通だ。
考えが部分的にでも合致し、共に歩むことができることはとても素晴らしいことだ。
だが、それ以外の人々といちいち衝突して敵対していては、誰も幸せにならないのではないだろうか。

考えの違う人に対して、無理に関わる必要はないが、いちいちその行動をあげつらって怒り、敵視し、攻撃してなどいたら、その先の未来に待っているのは、どのような殺伐とした世界であろうか。
未だに戦争や争いが絶えない世界情勢を見て、筆者は不安に感じる。

何が正しいか、という議論をする前に必要なのは、どんな相手であれ尊重する姿勢だろう。

仮に「NFTはガチホをした方がみんなが幸せになれる」という理論が正解だったして、その理論を普及させたいのであれば、攻撃的な手段に出るのは逆効果でしかない。

自分の考えに従わない人間を攻撃し、傷つけてもよしとする行為の先にある世界とは、果たしてどのような世界だろうか?

いまいちど、我々1人1人が落ち着いて、俯瞰して物事を捉えて、考えるべきではないだろうか。

全てのNFTプロジェクトの運営者Founderに敬意を示すと共に、NFTに関わる全ての人々の心が安らかであることを願ってやみません。

関連コレクションリンク

かねりん代表/創業者

投稿者プロフィール

Web3業界を幅広くリサーチし分析を行っている。
2017年頃から暗号資産業界に通じ、国内外でWeb3関連プロジェクト・イベント等を多数手掛ける。
各種SNS、Voicy、メールマガジン、オンラインサロン運営等を通じてWeb3に関連する情報発信を毎日行っている。

この著者の最新の記事

関連記事

コメントは利用できません。

Pickup Event

ピックアップ記事

ページ上部へ戻る