ハードウェアウォレットとは?選び方やメリット・デメリットを解説
- ハードウェアウォレットってなに?
- なぜ必要?
- デメリットはないの?
ハードウェアウォレットって、初心者にも必要ですか?
こんな悩みにお答えします。
- ー本記事はこんな方におすすめー
- ・暗号資産やNFTのセキュリティが不安
・取引所の破綻リスクにも備えておきたい
・おすすめのハードウェアウォレットを知りたい
早速ですが、結論を先にお伝えします。
- ハードウェアウォレットは…
- ・暗号資産のセキュリティを高める便利ツール
・おすすめはLedger、Trezor、OneKeyなど
・暗号資産やNFTを長く扱うなら必需品
・公式サイトか正規代理店から買わないと危険
記事前半は、ハードウェアウォレットの仕組みやメリット・デメリットについて。後半はハードウェアウォレットのおすすめメーカー4選、おすすめ商品9選をまとめています。ぜひ最後までご覧ください。
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ハードウェアウォレットは暗号資産のセキュリティを高める金庫
ハードウェアウォレットは、暗号資産やNFTを保管できる高セキュリティの金庫です。
特徴は以下の3つ。
・持ち運びできる小型の電子デバイス
・ビットコインやNFTなどの暗号資産をオフラインで保管・管理できる
・不正アクセスに対するセキュリティが強い
暗号資産のウォレットとは
ウォレットって色々種類があるんですか?
暗号資産ウォレットとは、名前の通り「暗号資産のお財布」を意味します。ビットコインやNFTなどの利便性を高めるためのツールです。ウォレットの種類は様々ありますが、大きくは「ホットウォレット」と「コールドウォレット」の2つのグループに分けることができます。
両者の違いは、インターネットに接続されているかどうかです。
- ホットウォレットの種類
- ・ウェブウォレット…Web上にあるウォレット
・デスクトップウォレット…パソコンにインストールするウォレット
・モバイルウォレット…スマートフォンのアプリとして利用するウォレット
- コールドウォレットの種類
- ・ハードウェアウォレット…専用のデバイスを利用するウォレット
・ペーパーウォレット…紙に書き出して利用するウォレット
ハードウェアウォレットは、コールドウォレットに該当します。
ウェブウォレットの代表例…MetaMaskなど ハードウェアウォレットの代表例…Ledger、Trezorなど
ホットウォレットとコールドウォレットの違い
暗号資産を利用するうえで、ホットウォレットとコールドウォレットの理解は必須です。両者は構造的にセキュリティのリスクが異なるからです。
ホットウォレットはセキュリティが課題
- ホットウォレットの特徴
- →オンラインで秘密鍵を保管…取引の利便性は高いが、不正アクセスに対して脆弱
- コールドウォレットの特徴
- →オフラインで秘密鍵を保管…取引の利便性は低いが、不正アクセスに対してセキュリティが強い
秘密鍵って何ですか?
「秘密鍵」は暗号資産を動かすためのパスワード
暗号資産の送金をする時に必要なパスワードのようなものです。ウォレットの「秘密鍵」の所有者には暗号資産の使用に関する権利があるため、「秘密鍵」は厳重に保護する必要があります。
厳密に言うとウォレットの中に暗号資産は保管されていません。暗号資産やNFTはブロックチェーン上に分散的に保管されています。ウォレットの中には保存されている暗号資産へアクセスするための「秘密鍵」が保管されているのです。
ーハードウェアウォレットは資産の「保管用」として使うー
資産を頻繁に動かす場合は「取引所」やMetaMaskなどのホットウォレットのほうが利用しやすいです。一方で、ハードウェアウォレットは大事な資産の保管用として使うのが、最もスタンダードな利用方法です。
ハードウェアウォレットは本当に必要?
ハードウェアウォレットは、暗号資産の最も安全な保管手段の1つです。なぜなら、MetaMaskなどのオンライン接続のホットウォレットは常に世界中のハッカーや詐欺師の標的となっているからです。オフラインのハードウェアウォレットに資産を移しておけばハッキングなどの危険から逃れることができます。
例えば、
- SNSの詐欺アカウント、詐欺DMにひっかかってしまう
- 詐欺リンクや詐欺広告をクリックしてしまう
- PC・スマートフォンがマルウェアに感染して秘密鍵が盗まれてしまう
- Wi-Fi通信が傍受されて、リカバリーフレーズが盗まれてしまう
このような被害事例は、毎日のように世界各地で発生しています。
では、ハードウェアウォレットを今すぐに使うべきかどうか。メリットとデメリットの比較を見ていきましょう。
ハードウェアウォレットを使う3つのメリット
- ハードウェアウォレットを使う3つのメリット
- ①詐欺・ハッキング対策効果が高まる
②取引所の破綻リスクがカバーできる
③より自由で、よりスムーズな取引ができる
順番に解説します。
メリット①:詐欺・ハッキング対策効果が高まる
ハードウェアウォレットの最大の利点は、オフライン保管によるセキュリティの強化です。
ハードウェアウォレットのセキュリティ上の主な利点
・オフライン保管による物理的なハッキングリスク回避
・軍事レベルのセキュアチップ採用による高い暗号化技術
・2段階認証による不正アクセスの防止
デジタル資産のセキュリティで最も大事なことは「秘密鍵」や「リカバリフレーズ」を守ることですが、手元にハードウェアウォレットがなければ盗みだすことができません。もし万が一スキャムリンクを開いてしまっても、ハードウェアウォレットに大事な資産を分けて保管しておけば被害を受けずにすみます。
メリット②:取引所の破綻リスクがカバーできる
2番目のメリットは、取引所以外に安全な保管場所を持てることです。実は、ビットコインなどを取引所に預けている場合も100%の保全を保証されていません。
例えば下記のようなリスクがあります。
・サイバー攻撃による取引所への不正アクセス ・取引所内部の不正な操作による盗難 ・取引所の破綻で資産を回収できなくなる |
2014年の「Mt. Gox」のハッキング事件と2022年の「FTX」の経営破綻は有名な事例ですが、預けていた暗号資産をユーザーが回収できなくなる事例は他にも多く発生しています。
メリット③:より自由で、よりスムーズな取引ができる
第3のメリットは、取引所を介さずに自分の資産を自由に移動できることです。
取引所のサーバーがダウンした場合などでも、ハードウェアウォレットで管理している暗号資産は24時間自分のコントロール下で取引をすることができます。暗号資産は株式市場と異なり「24時間」「365日」取引されていて文字通り「年中無休」で値動きがあります。いざという時に取引所のトラブルで資産を動かせなければ、大きな機会損失となるかもしれません。
・【参考記事】2019年5月、Binannceのハッキング被害の事例
・【参考記事】2022年8月、Hotbitの取引・入出金サービス停止の事例
次に、ハードウェアウォレットのデメリットについても確認していきましょう。
ハードウェアウォレットを使う3つのデメリット
- ハードウェアウォレットを使う3つのデメリット
- ①初期導入コスト
②自己責任でパスワード管理が必要
③安心して購入できる店が少ない
デメリット①:初期導入コスト
ハードウェアウォレットの導入には初期コストがかかります。
代表的なブランドとしてLedgerやTrezorなどがありますが、一般的なデバイスの価格は約1万円〜3万円前後です。初期コストを考えると、買い時がわかりにくいかもしれません。
長期間投資を続ける場合は、導入が早いほうがコストパフォーマンスが高くなります。ご自身の投資スタンスにあわせて、購入タイミングを検討するといいでしょう。
デメリット②:自己責任でパスワード管理が必要
ハードウェアウォレットでの資産保管はセキュリティや自由度が高い分、自己責任での管理が必要です。
具体的には、
・「秘密鍵」「リカバリフレーズ」などの自己管理 ・デバイスの保管管理 ・入出金の操作の手間 |
などがあげられます。
特にパスワード関連の管理が最重要です。もしも第3者に流出させてしまうと、資産を失うリスクが発生します。ただし、取引所やホットウォレットにおいてもパスワードの保全は同じく必要なものです。
暗号資産の安全なパスワード管理方法について、以下の記事に詳しく考察して記事にまとめています。
・暗号資産ウォレットのシークレットリカバリーフレーズのセキュリティの高い保管方法
もしも、ハードウェアウォレット本体が壊れたら?
パスワードを守れても、ハードウェアウォレット本体が壊れた時が不安です。大丈夫?
本体が壊れても、リカバリーフレーズがあれば復元できます
リカバリーフレーズを保全できていれば、デバイス本体が壊れても問題ありません。新しいデバイスとリカバリーフレーズがあればウォレットアカウントを復活させることができます。
デメリット③:安心して購入できる店が少ない
最後のデメリットは、ハードウェアウォレットを安心して購入できるお店が少ないことです。Amazonやメルカリでも販売されていますが、手元に届く途中で悪意ある第三者に開封されてパスワードを抜き取られる可能性があります。必ず公式サイトや正規代理店で購入するようにしましょう。
ハードウェアウォレットの選び方
ハードウェアウォレットを選ぶ時には、以下の4つを基準に考えるといいでしょう。
・ブランドの信頼性 ・機能性 ・価格 ・使いやすさ |
LedgerとTrezorの大手2社が業界のパイオニアとして人気が先行しています。 また価格面では、SafePalが買いやすいです。さらに最も大事な点は自分が利用したいコインやトークンに長期的に対応してくれるかどうかです。変化が激しい業界なので、メーカーの総合的な対応力も判断基準にいれるのがおすすめです。
ハードウェアウォレットのメーカー4選 迷ったらここから選ぼう
ハードウェアウォレットのメーカーで、特に人気の4社をご紹介します。
おすすめのハードウェアウォレットブランド4選
1.Ledger(フランス、2014年設立)
…業界を牽引するリーディングカンパニー。世界の20%の暗号資産がLedger社のハードウェアウォレットに保管されているとのこと。(※2022年1月時点)セキュリティ評価が高く、NFTやDeFi (分散型金融)にも幅広く対応。公式サイトも日本語最適化を実施。
2.Trezor(チェコ、2013年設立)
…世界初のハードウェアウォレットメーカー。SatoshiLabグループ。オープンソース設計によるセキュリティの評価が高く、Ledgerと並び人気が高い。
3.SafePal(シンガポール他、2018年設立)
…海外大手取引所のBinannceが出資。買いやすい価格で汎用性も優れている。自社のソフトウェアウォレットとの連携によるDeFi(分散型金融)の利便性が高い。
4.OneKey(中国、2021年設立)
…海外大手取引所Coinbaseが出資。Bluetoothやバッテリーを搭載し機能を充実させつつ、価格を抑えたラインアップでコスパが優れている。
1.Ledger (レジャー)
- Ledger がおすすめな理由
- ・実績があり総合力が高い。
(対応通貨数、アプリの使いやすさ、外部ウォレット対応。)
・フランスのサイバーセキュリティ機関ANSSI(国立情報システム・セキュリティー庁)に認証を受けており、セキュリティ評価が高い。
・元アップルの開発担当が関わるなど、デザインやUIにもこだわっている。
・公式サイトの日本語情報が丁寧でわかりやすい。
・リップルに対応。
×1万円以下で買えるモデルがない
2.Trezor(トレザー)
- Trezor がおすすめな理由
- ・世界初のハードウェアウォレットメーカーの実績。Ledger と並んで人気が高い。SatoshiLabsグループ開発。
・オープンソース設計やバックアップ機能によるセキュリティ評価が高い。
・買いやすい価格設定。
・NEM・モナコインに対応。
×公式サイトの情報が見にくい
3.SafePal(セーフパル)
- SafePal がおすすめな理由
- ・購入しやすい価格設定。
・海外大手取引所Binannceが出資。
・取り扱い暗号資産が多い。
・DeFi(分散型金融)の利用がしやすい。
×日本語情報が少ない
4.OneKey(ワンキー)
- OneKey がおすすめな理由
- ・機能を充実させつつ、価格を抑えたラインアップでコスパが優れている。
・海外大手取引所Coinbaseが出資。
・取り扱い暗号資産が多い。
・オープンソースでソフト開発を進めており、アプリが使いやすい。
×日本語情報が少ない
ハードウェアウォレットのおすすめ製品9選
1 : Ledger Nano S Plus
価格:12,499円
・5,500以上の通貨対応
・50以上の外部ウォレット対応
・充電不要
・USB-C
・カラーバリエーションあり
・Windows、MacOS、Linux、Android対応
LedgerLiveアプリが使いやすい。Ledger社のスタンダードモデル。MetaMaskなどサードパーティーウォレットとの連携◎ 。充電不要で長く使える。主要通貨からNFTまで幅広く対応。パソコンまたは、Androidスマートフォンと接続して利用。
2 : Ledger Nano X
価格:23,999円
・5,500以上の暗号資産対応
・50以上の外部ウォレット対応
・Blutooth/USB-C
・カラーバリエーションあり
・Windows、MacOS、Linux、Android、iOS対応
Ledgerのミドルグレードモデル。Blutooth接続で、AndroidとIphoneどちらでも利用できるモバイルフレンドリーなモデル。
3 : Ledger Stax
価格:39,997円
・3.7インチE INK湾曲型タッチスクリーン
・画面表示カスタマイズ
・50以上の外部ウォレット対応
・Blutooth/USB-C
・ワイヤレス充電
・Windows、MacOS、Linux、Android、iOS対応
発売予定で予約受付中。注目度1位のハイグレードモデル。デザインやUIの新しさ、スマホ接続対応◎ 。NFT資産を画面表示してクールに使いこなすことができる。元iPhoneデザイナーのTony Fadell氏がデザインに参画。
4 : Trezor Model One
価格:69ドル
・2ボタンパッド
・オープンソース設計
・1,000以上の通貨対応
・USB-A
業界パイオニアブランドのスタンダードモデル。最低限の機能でコストパフォーマンスを高めている。対応通貨は多くはないが、主要通貨に絞って利用したい人向け。オープンソース設計でセキュリティ面での評価も非常に高い。
5 : Trezor Model T
価格:219ドル
・1.54インチタッチスクリーン
・オープンソース設計
・1,300以上の通貨対応
・USB-C
・シャミアバックアップ
老舗ブランドのハイグレードモデル。タッチスクリーンにより操作性を高めている。秘密鍵の防衛力を究極まで高めるシャミアバックアップ機構を搭載。
関連記事:【ハードウェアウォレット徹底比較!】Trezor Model One と Ledgerの違いは?
6 : Safpal S1
価格:49.99ドル
・QRコードスキャン
・日本語表示あり
・10,000以上の暗号資産対応
・自爆リセット機構
・充電利用
・Android、iOS対応
コスパ◎。Binannceが出資。モバイルウォレット対応◎。QRコードスキャン機能が便利。自社のソフトウェアウォレットと連携して利用。DeFiユーザーにも人気が高い。取り扱い通貨数も多く、総合的なバランスに優れている。PCのアプリはなく、ブラウザー拡張機能で対応。
7 : CoolWallet S
価格:99ドル⁺20ドル(本体⁺充電器)
・クレジットカードサイズ
・10,000以上の暗号資産対応
・Bluetooth 接続
・防水
・充電利用
台湾発の新興ブランド。カードデザインが革新的。モバイルアプリ対応◎。財布にいれて持ち歩くことができる。暗号資産決済を日常生活に取り入れるコンセプトが面白い。充電利用。
8 : D’CENT Biometric Wallet
価格:139ドル
・指紋認証
・3,000以上の暗号資産対応
・Micro USB 5Pin
・Windows、MacOS、Android、iOS対応
韓国発のブランド。唯一の指紋認証採用モデル。2 + 1認証でセキュリティを高めている。モバイルアプリ対応◎。充電利用。
9 : OneKey Classic
価格:89ドル
・Blutooth/USB-C
・4,000以上の暗号資産対応
・Windows、MacOS、Android、iOS対応
名刺サイズで、軽量ながらもバッテリーとBluetooth搭載。
Ledgerの同価格帯と比べるとワンランク上のモデルと同等の仕様でコスパが良い。
関連記事:【ハードウェアウォレットレビュー】OneKey ClassicとLedgerの比較
まとめ:暗号資産はハードウェアウォレットで保管しよう
ハードウェアウォレットの必要性や、おすすめ製品をご紹介してきました。
結局、どれが1番おすすめなの?
今後の拡張性など、総合力で選ぶならLedgerの製品がおすすめです。
Ledger Nano S PlusやLedger Nano Xは、これから長く付き合うハードウェアウォレットとして充分な機能を有しています。
- ータイプ別おすすめ例ー
- ・PCかAndroidスマートフォンで利用…Ledger Nano S Plus
・モバイル利用が多い… Ledger Nano X
・NFT表示ができる最高グレードの商品が欲しい…Ledger Stax
・コストパフォーマンスとDeFi利用にこだわりたい…OneKey Classic
僕は、スタンダードモデルのLedger Nano S Plusを愛用しています。
Ledger製品は利用者も多く、アップデートや困った時の日本語情報も得やすいです。Ledgerの使い方や初期設定については以下の記事に詳しくまとめています。
ハードウェアウォレットの初期設定~Ledger Nano S Plusの接続方法を詳しく解説
まずは早めに1台導入して、暗号資産の防御力を高めていきましょう。