【ハードウェアウォレット徹底比較!】Trezor Model One と Ledgerの違いは?
- 2023/6/4 08:00
- セキュリティ
- Ledger, Trezor, ハードウェアウォレット, 比較
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2023年5月にハードウェアウォレット大手のLedgerが「Ledger recover」を発表して議論が巻き起こる中、有力な乗り換え先としてTrezorが注目されています。
Trezorはオープンソースの設計を採用し、「セキュリティの専門家がすべてのプロセスを監査でき、バックドアや潜在的な悪意のあるプログラムを隠すことはできない」と強調しています。
Ledger Recoverをめぐる議論については以下の記事で詳しく紹介しています:
>ハードウェアウォレット大手Ledger、新サービスRecover発表も世界中で大論争に。Ledgerの功罪とトラストレスの不都合な真実。
この記事ではTrezorの主力製品の「Trezor Model One」の特色と、Ledgerの製品との違いを紹介していきます!
結論から言うと、Trezor Model Oneは以下のような人に向いています:
- Trezor Model Oneはこんな人におすすめ
- ●とにかく安いハードウェアウォレットが欲しい
●コネクタがMicro-USBでも問題ない
●英語サイトでも問題なく購入や問題解決ができる
ハードウェアウォレットを選ぶ際は以下の記事も参考になります。
>ハードウェアウォレットとは?選び方やメリット・デメリットを解説
Trezor Model Oneとは?
TrezorはSatoshiLabsグループのチェコのハードウェアウォレットのメーカーです。
公式サイト:https://trezor.io/
Trezorのハードウェアウォレットは2種類あり、「Trezor Model One」は安い方のモデルです。
2014年から販売されており、使われ続けているので、信頼の蓄積があります。
上位機種の「Trezor Model T」はタッチパネル、USB-Cなどインターフェースがパワーアップした仕様です。
Trezor Model Oneの特色
■軽量
重量:12 g
サイズ: 60x30x6 mm
これまで紹介したLedgerやOneKeyの商品より10gも軽いです。
参考記事:【ハードウェアウォレットレビュー】OneKey ClassicとLedgerの比較
■オープンソースで開発している
オープンソースだと何が良いのか?
Trezorが公式Twitterの方でまとめています:
- 透明性: 誰もがソースの内容を調査することができ、バックドアや脆弱性がないことを保証します。
- セキュリティを確保: グローバルな専門家ネットワークが常時弱点を特定し、修正することで、最高レベルの保護を保証します。
- カスタマイズが可能: 開発者は革新的なアプリケーションや統合を作成することができます。
Trezor Model Oneの購入とセットアップ方法
Trezor Model Oneの購入方法
Trezorの公式サイトから新品を購入しましょう!
ECなどで中古品を購入してしまうとマルウェアを仕込まれている可能性があります💀
Trezorのサイトは日本語対応していないですが、分かりやすいUIなのであまり迷うことはないと思います。
購入手順は以下の通りです:
①TREZORのロゴの横にある「Products」をクリック
②「Compare products」をクリック
③「Buy」ボタンを押してカートに入れる
④右上の「Cart」をクリックして決済と輸送の手続きを進める。
Trezor Model Oneのセットアップ手順
セットアップの手順について公式サイトで解説されていますが、これも英語のみです。
和訳したので、参考にしてください:
■必要なもの
・Trezor Model One と USB接続ケーブル
・「Trezor Suite」デスクトップアプリ(Trezor Suite for WebでもOK)
・リカバリーシードカード(およびペン)
・時間:約5分~10分
■手順
①Suiteはデバイスを接続するよう促します。この時、匿名でのデータ収集を許可するかどうかのオプションがあります。これは必須ではありませんが、バグの修正やパフォーマンスの向上に役立つので、「許可」をお勧めします。
②デバイスの接続が完了すると、簡単なセキュリティチェックを行うよう求められます。Setup Trezorをクリックする前に、パッケージが無傷であること、ホログラフィックシールが改ざんされていないことを確認する必要があります。
チェックポイント
改ざんされた形跡がある場合、デバイスは使用しないでください!
必ずカスタマーサポートに連絡してください。代替機の手配に全力を尽くします。
③すべて揃っていることを確認したら、「Setup Trezor」をクリックします。
④Trezorはファームウェアなしで出荷されていますので、まずは「Install firmware」ボタンをクリックして最新版をインストールします。
⑤ファームウェアのインストールが正常に完了したら、「Continue」をクリックします:
⑥Trezorを初めて設定する場合は、次のステップで「Create new wallet」を選択してください。
チェックポイント
「Recover wallet」のオプションを使用できるのは、既存のアカウントの復元ができるシードフレーズ(シークレットリカバリーフレーズ)を持っている場合のみです。
⑦「Create new wallet」を選択した後、デフォルトの「Standard seed backup」のリカバリープロセスを選択します。
⑧Trezorの「Confirm」ボタンを押す。
⑨次のステップでは、バックアップを作成します。つまり、提供されたカードにシードフレーズ(シークレットリカバリーフレーズ)を記録します。プロセスを開始するには、「Create backup」をクリックします。
⑩バックアップの手順を理解したかどうかを確認するプロンプトが表示されます。すべてに緑のチェックマークがついたら、「Begin backup」をクリック。
⑪Trezorの「Confirm」ボタンを押すと、Trezorから単語のリストが表示されるので、それを正しい順序でカードに書き込みます。
チェックポイント
この情報は、あなたのTrezorと暗号資産を保護するための最も重要な部分です。
この情報は誰とも共有せず、オフラインで安全に保存してください!
⑫すべての単語を正しい順序で記録すると(Trezor Model Oneのデフォルトのリカバリーシードの長さは24単語)、ウォレットのバックアップが完了したことが通知されます。
⑬不正な物理的アクセスからデバイスを保護するため「Continue to PIN」をクリックしてPINの設定に進みます
⑭「Set a PIN」をクリックして処理を開始し、Tezorの「Confirm」ボタンを押す。
⑮「Set new PIN」ウィンドウでは、右側にブラインドマトリクスキーパッド(数字が伏せられた状態)が表示されます。Trezorの画面に表示された数字を見て、3×3マトリックスの対応する数字を選択して、新しいPINが設定されます。
⑯その後、新しいPINを繰り返し入力する必要があります。
チェックポイント
Trezorデバイスを初めてセットアップする際、新しいPINを2回入力する必要があります。
2回の入力の間に、Trezorに表示される数字が変化することに注意してください。
⑰この操作が完了すると、「PIN set」ウィンドウが表示されます。
⑱「Continue」をクリックすると、「Activate Coins」ウィンドウが表示され、Trezor Suiteに表示される暗号通貨を自由に選択することができます。この設定は、他の詳細設定と一緒に、いつでも変更することができます。
アクティブコインの選択が完了したら、「Complete setup」をクリックすれば完了です!
⑲Setup complete!と表示されたら「Access Suite」をクリックします。
⑳最初に聞かれるのは「Select wallet type(ウォレットタイプの選択)」です。Suiteの機能を使いたいだけの場合、パスフレーズ保護されていない「Standard wallet」オプションを選択します。
チェックポイント
暗号資産のプライバシーとセキュリティを強化するために、「Hidden wallet(隠しウォレット)」のパスフレーズ機能の使用をお勧めします。詳しくは後で解説します。
㉑ウォレットタイプを選択した後、Trezor Suiteに入ると、ウォレットを使用する準備が整った状態になります。
Ledgerとの比較
Ledger製品と価格と機能を比較して表にまとめました。
Trezor Model Oneの機能はLedger Nano S Plusと同じくらいですが、価格は1万円を切る安さ!
Trezor Model OneのコネクターはmicroUSBだったり、少し古さを感じますが、
初めてハードウェアウォレットを試すには良さそうです!
Ledgerはスタイリッシュで高級路線です。
ハードウェアウォレット | Trezor Model One | Ledger Nano S Plus | LEDGER NANO X |
メーカー | Trezor | Ledger | Ledger |
価格 (税込み、送料別) | 約9,500円 (69USD) | 12,499円 | 23,999円 |
カラー | ブラック ホワイト | ブラック オレンジ パープル | ブラック オレンジ スケルトン ブルー ホワイト |
重さ | 12グラム | 21グラム | 34グラム |
Bluetooth対応 | なし | なし | 対応 |
バッテリー | 非搭載 | 非搭載 | 搭載 |
表示 | モノクロ表示 128×64 px | モノクロ表示 128×64 px | モノクロ表示 128×64 px |
コネクター | microUSB | USB-C | USB-C |
購入サイト | Trezor販売サイト 英語のみ | Ledger販売サイト 日本語対応 | Ledger販売サイト 日本語対応 |
購入サイトの比較
Trezor購入サイトは英語・USドル表示になっていて、英語が苦手な人には抵抗があるかもしれません。
一方でLedgerの購入サイトは日本語・日本円表示に対応しています。
セキュリティ面の比較
■Trezor
Trezorのセキュリティの特色として、「Hidden wallet(隠しウォレット)」のパスフレーズ機能があります。
パスフレーズ機能では、独自の隠しウォレットを新しく作成し、Trezorを接続するたびに、数字PINに加えて、自分で決めた秘密のフレーズを入力するよう求めることで、アクセスを制御できます。
つまり、シードフレーズが危険にさらされたとしても、パスフレーズ機能を使って作った隠しウォレットの資金は安全です。
パスフレーズ機能については、Trezorのブログで詳細をご覧いただけます。
■Ledger
Ledgerのセキュリティの特色として、「セキュアエレメント」を使用しています。
セキュアエレメントとは外部からの解析攻撃に耐えるセキュリティ能力を持った半導体で、クレジットカード決済でも使われています。
セキュアエレメントの技術情報は特許で守られているため、オープンソースでセキュアエレメントは使用できませんが、その代わりに高いセキュリティ性が担保されます。
Ledgerがソースを全てオープンにできないのは
「セキュアエレメント」を使っているからなんですね。
参考動画:
>TrezorとLedger Nano Xの違いはどこか?ハードウェアを分解して見比べてみる【株式会社AndGo】(YouTube)
操作性の比較
Trezorはボタンが正面二つ付いており、片手で操作できます。
Ledgerもボタンが二つですが、側面についおり、両手で操作する必要があります。
好みが分かれるところですが、
個人的には片手で操作できるTrezorの方が操作性は良いと思います。
サポート体制の比較
メーカー | サポートページ | サポートページ以外 | サポートページ |
Trezor | 日本語非対応 | Trezorフォーラム(英語のみ) | Trezorサポートページ |
Ledger | 日本語対応 | YouTube MediaoDAOのDiscord(日本語対応) | Ledgerサポートページ |
公式サイトのサポートページ
Trezorのサポートページは日本語対応していません。
一方Ledgerは日本語のサポートページがあります。
Trezorサポートページ(英語のみ):https://trezor.io/support
Ledger日本語サポートページ:https://support.ledger.com/hc/ja/categories/4404369571601?support
サポートページを見ても解決しない場合
■Trezorの場合
サポートページの右下の「Need help?」というボタンをクリックするとチャットボットが開きますが、残念ながら英語のみの対応です。
あとはフォーラムという掲示板で直接質問ができますが、こちらも英語のみです。
■Ledgerの場合
Ledgerはサポートページ以外に、3つの確認方法があります。
- YouTube
https://www.youtube.com/Ledger
全編英語ですが、字幕を「日本語」に変更できます - Reddit
https://www.reddit.com/r/ledgerwallet/
やりとりは英語になります - MediaoDAOのDiscord内の「ledger質問、相談」チャネル
Ledger Japanの担当者に日本語で相談できます
MediaoDAO Discordの招待リンク:https://discord.gg/zuCFAnFD
MediaoDAO「ledger質問、相談」チャネル:https://discord.com/channels/900029842450415636/1012371104284823602
英語が苦手な人にとって、Ledger担当者に直接日本語で問い合わせができるのは大きな利点ですね
まとめ:英語に抵抗がなければ、Trezorは安さNo.1!
- Trezor Model Oneはこんな人におすすめ
- ●とにかく安いハードウェアウォレットが欲しい
●コネクタがMicro-USBでも問題ない
●英語サイトでも問題なく購入や問題解決ができる
Trezor Model OneはLedgerのLedger Nano S Plusとほぼ同等の機能を備えています。
Micro-USBなど一部古い仕様のままだったりしますが、価格がとにかく安いです。
執筆時点(2023年6月)で1万円を切るハードウェアウォレットは珍しいです。
英語に抵抗がない人で、とにかく出費を抑えたい人には最適です!
一方で、「日本語サポートがあった方が安心」という人はLedgerの方が日本語でのサポート体制が整っています。
※2023年6月時点
ハードウェアウォレットを選ぶ時の参考になると幸いです✨
(=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
|彡サッ