STEPNは手数料ビジネスかイールドファーミングか

おはようございます、ヒヨコロです。🐤

もう最近はSTEPN一色の生活です。ずっとSTEPN のことを考えているので、今日もSTEPNのことを記事にします。だってまだみなさんSTEPNに飽きてないでしょう? 加熱してますよね?

僕が常に思っているのは「STEPNはブロックチェーンの世界と現在の社会の架け橋になるアプリ」だということです。

なぜかというと、STEPNはブロックチェーンの世界のアプリじゃないような手軽さがあります。この手軽さがまず大きくて、PC不要でスマホ一つで始められるし、メタマスクも不要だし、最近ではSOLを日本の取引所から直送することもできて、海外の取引所さえ必要なくなりました。

日本株や投資信託を買うくらいのお手軽さでブロックチェーンの世界に入ってこられるということです。

そしてコロナ禍における「健康」と「環境問題への対応」という大義名分も揃っています。これが流行らないことは絶対にあり得ない、絶対に社会現象になると断言できるレベルの革命的なアプリだと僕は感じています。

今日はちょっとその熱を冷ましていきますよ〜🐤

STEPNの闇のお話

さて、STEPN熱を冷ますにはスーパーエンジニアの中島聡さんのお話がいいと思います。
曰く、中島さんのお友達にすっごくブロックチェーンゲームにはまった人がいて、めちゃ儲かるんだと嬉しそうに熱く語りかけてくるのだそうです。それを聞いた中島さんは、その時は適当に相槌をうっていたそうですが、それからずっともやもやして、その理由はブロックチェーンゲームは入ってくるお金より出るお金が少ない、パチンコと同じしくみで、明らかに情報弱者をターゲットにした搾取ビジネスなのに、その時はそれを言わなかったから後悔している。GACKTさんのスピンドル?の時も、気づいてたけど言わなかった。でもこんどこそ言う、AxieとかSTEPNは情報弱者をターゲットにした搾取ビジネスだということでした。そしてガチャは法律で禁止しないといけないと最後まで熱く熱く語っておられました。

いくつかツッコミどころはあるものの、これはほんとに否定できないんですよね。欲につられた人があとからイナゴしてタワーが形成されるのが余裕で脳内再生できてしまいます。

僕の見込みでは、フィットネスアプリ全体のユーザー数から考えて、Runkeeperが4000万人、Runtasticのユーザ数は1億人超えと言われていて、STEPNのユーザー数はどんなに小さく見積もっても100万人は軽くいくんじゃないかなと思っています。そうするとSTEPNの現在のアクティブデイリーユーザー数は2万人だそうなので、今の50倍ですよ。今の盛り上がりなんてフィーバーでもなんでもない小さな小さな波だということなんです。

そして、テレビや雑誌でとりあげられて、わけのわからない人が「あなたもかんたんSTEPNでお金稼ぎ〜仕事より稼げちゃう」みたいな間違いだらけの入門本で始めて、お父さんもお母さんもおじいちゃんもおばあちゃんもみんな誰かにアプリをインストールされて歩かされて、そうなってくるとこんな最悪のシナリオが浮かんでしまいます。

  • シードフレーズをなくして資金を失う人続出
  • トークンや靴の値下がりで被害を受ける人続出
  • スマホ見ながらSTEPNしてて事故にあう人が続出
  • 稼ぐために無理に歩いたり走ったりして逆に身体を壊す人続出
  • STEPNを始めるための40万円の情報商材を買っちゃう人続出

「みんなSTEPNから逃げて!」って叫びたくなるくらいです。特に有名人やインフルエンサーは絶対にSTEPN勧めちゃだめです、円天事件を思い出してください!

STEPNのお金の流れについて

……さて、もうみなさんSTEPNから足を抜いてくれましたでしょうか?

安全なところから冷静にお話をしましょう。STEPNのお金の流れです。STEPNの利益は大きく2つ、独自トークンのGSTの発行靴NFT(およびアイテム)の販売および売買にかかる手数料収入です。

1つ目 独自トークンGST

1つ目は独自トークンGSTの発行ができることです。STEPNプロジェクトの運営者はGSTを無料でいくらでも発行することができます。DeFiに不慣れな人は信じられないかもしれませんが、独自トークンは自分で自由に発行できます。

その独自トークンに使い道があったり、有力な投資先とみている人が多かったら、そこに価値が生まれます。今のSTEPNのGSTトークンはそういう上昇相場です。

また、独自トークンはプロジェクトの魅力を高めることにも使われます。魅力とはすなわち利回りである場合が多いので、独自トークンの価格は高い方が望ましいのです。

そして、価格の決定は市場の需要と供給で決まります。法定通貨と同様に、むやみに大量に発行すると価値は下がるので、できるだけ少ない量の発行でトークンの価値を保つことが求められます。このあたりのバランスは運営の腕の見せ所です。

GSTに価値をつける順序はつぎのとおりです。

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  1. STEPN運営はVCなどの出資者から、プロジェクトへの出資を募ります。そこで、USDCやSOLなどの提供を受ける代わりにGSTやNFT靴を配布します。
  2. VCは、自分が得たGSTやNFTの靴の価値を高めたいからプロジェクトを応援します。
  3. STEPN運営は出資を受けたUSDCやSOLを使い、GSTとの流動性プールを作ります。例えば10,000 GST:100 USDCの割合で流動性を提供すると、初期のGST価格は1 GST=0.01 USDCになります。
  4. プロジェクトに魅力を感じたり、靴のレベル上げやMint(ブリーディング)に使いたい人がGSTをそのプールから買います。
  5. すると、GST価格が上がります。
  6. GSTが高くなると、ゲームで得られるGSTを売ろうとする人が多くなり、GSTが売られるとGST価格は下がります。

ここはブロックチェーンゲームの王道のやり方です。要するに、ちょっと言いにくいことなんですけど、「ほんとは」ゲームとかフィットネスアプリを売りたいんじゃなくて、SLPとかGSTとかいう独自トークンを売りたいんですね。だから、その独自トークンの「使い道」としてゲームとか靴とかを作ったというのがDeFiプロジェクトとして考えた時の正しい順序です。

こう考えるとSTEPNがイールドファーミングのように思えてきませんか?
VCはLP(流動性提供者)としてGST-SOLとGST-USDCを流動性プールに提供して、LPの代わりに靴NFTを受け取ります。その靴NFTは(1日10分歩けば)ホルダーに配当をもたらしてくれます。

Axieもおそらく同じです。しかしAxieは新規参入者が途絶えて、NFTを買ったりSLP(独自トークン)を買ったりする人が減るにつれて、最高値から約1/17にまでプロジェクトの価値がしぼんでしまいました。

https://coinmarketcap.com/currencies/smooth-love-potion/

2つ目 独自銘柄NFT靴の販売と手数料収入

収入の柱の2つ目はNFT靴です。このうち一次販売の方法や収益については詳しく知らないので省きます。

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STEPNのプロジェクトは結構規模が大きな独自のマーケットプレイスを持っています。僕はアプリでマーケットをよく眺めていますし、自分で靴を売りにだしたりもしていますが、8万円とか数十万円のNFT靴が秒で売れていく世界です。STEPNの運営は公表をしていませんが、すごい額の取引規模になっているはずです。

マーケット利用手数料は2%、ロイヤリティは4%と、OpenSeaなどと比べても割安の手数料なので、ユーザーはあまり意識することなく徴収されます。これはチリも積もってすごい利益になっているはずです。

そしてこのマーケットプレイスは、既存ユーザーがmintで生んだ靴を新規ユーザーや、より高品質の靴を買いたい成長過程のユーザーが買うことで回ります。ここがSTEPNが「ポンジ的」「自転車操業的」と言われるところです。

仮に今から数カ月後、新規ユーザーが途絶えて、既存ユーザーはすでに全員レベル30、もうGSTを消費することも新しい靴を買うこともなくなって、稼いだGSTを売るだけの生活になったことを想像してみます。プロジェクトはGSTを発行し続け、ユーザーは淡々とそれをDEXに売り続けます。流動性プールのGSTはどんどん増えていき、SOLとUSDCは枯渇します。GSTが安くなっても誰も買いません、レベル上げやMintしか使い道がないからです。

そうなると靴を保有して毎日歩くのが無意味になるので、靴も投げ売りされます。でも誰も買わないので、価値はゼロに近づきます。ちょっと極端に思えますが、単純計算で考えるとSTEPNの未来はこうなります。

闇を照らす光

ということで収入源ごとにSTEPNの悲観的な未来を見てきました、しかし、それらに対策をしていないでもありませんし、継続可能性がないでもありません。ここからは少し光の部分を見つけだしていきます。

GST価格は、イールドファーミングになぞらえると、独自トークンをプロジェクトの利益で買い戻すことで一定の持続可能性がでてきます。これはDeFiの一部のプロジェクトがすでに持続可能な運営に達していることからもわかります。

※ただし、これはGSTの近い将来を楽観視しているものではありません。僕は必ずイナゴタワーになると思っています。つまり、急な暴騰と暴落を一度は必ず迎えます。その暴落の後、完全に消えるのではなく、1/2あるいは1/10になりながらも続くのではないかという考えです。

そして、靴NFTが飽和状態に達したあとの世界ですが、今のままのNFT靴のしくみではよい結果が得られないと思います。例えば現実世界の靴はすり減って消費されて(burnされて)いくので靴産業は持続可能になるのですが、NFTは修理さえすれば劣化しないのが問題です。

ただ、そんなものはなんとでもなるというか、劣化するようにプログラミングすれば良いんじゃね? ってことだと思うのですが、これはまだそのようなアイデアは出ていません。STEPNの運営は「靴を1足burnすると残った靴に新しい属性が与えられる」というようなしくみを考え中だそうです。どちらにしてもこの「靴burn」「劣化する靴」のしくみの実現はあまり難しくはなさそうです。(ゲームバランスを考えるのはとても難しいと思います。)

ということは、早期参入者も自分の靴が劣化すると新しい靴を買わざるを得なくなるしくみになると、アイデアはすでに人前で話せる程度にはできていて計画も進んでいる段階に来ているといえます。そうなると持続可能性が見えてきます。

そもそも、パチンコ業界はなぜ持続可能なのでしょうか。それはお金を払って遊びに来てくれる人がいるからです。その良し悪しはともかく、現実の話として持続可能になっています。麻雀や競馬などギャンブル全般にいえることです。

ギャンブルが悪いと言われるかもしれません。では、フィットネスクラブはなぜ持続可能なのでしょうか。フィットネスクラブは何も製品を生み出しませんが、お金を払って運動しに来てくれる人がいたり、グッズを買う人がいたり、スポーツメーカーと提携したりするから続けられます。ゴルフ場は、テニスコートは、テーマパークは、STEPNは? だんだん疑問形が増えてきましたが、このように考えるとSTEPNだけが特別に詐欺に近いしくみではないようにも思えてきます。

情報弱者の搾取ビジネス

STEPNは情報弱者からの搾取ビジネスだと中島さんはおっしゃいました、そうなるかもしれません。いや、そうなると思います。これは本当に否めません。

ただ、考えてみるとAxieは「情報弱者から搾取したビジネス」だったでしょうか。「あとから来た人が損をした」ことは確かなのですが、あとから来た人は情報弱者だったでしょうか? 将来はともかく、現在のブロックチェーンの世界に情報弱者って存在するのでしょうか、という疑問が僕にはあります。

ガチャは法律で禁止すべきという考えは、確かにそういう面もあるかもしれないと思います。ここは中島さんに同意です。パチンコって必要ですか? 必要悪ですか? 麻雀も、競馬も、ガチャも。

ただ、中島さんや僕の思いとは違って、人間はギャンブルが好きでギャンブルを求めます、だから法律で禁止しても無駄な気はしています。そもそもなんでも法律で禁止すれば被害がなくせるというものではありませんし、なんだったら法律を作る側が公営ギャンブルを作っちゃってます。あれの依存症はどうなってるの? 大人だけズルい! って思います。

だから、そこを、ガチャの度合いを許容範囲におさえて、うまく続けてほしいなと思うのが僕の希望です。あ、心の声が漏れた…。

ゲームにせよ、フィットネスアプリにせよ、サービスがしっかり作られていたら「◯◯ to Earn」というのはブロックチェーンの世界では十分ありえるのではないかと僕は考えています。なぜなら、ブロックチェーンの世界には銀行や保険会社や証券会社という最大の情弱をターゲットにしたビジネスがなくなるのですから、彼らの利益の分だけユーザーが「◯◯ to Earn」できてもおかしくはないはずだからです。

STEPNの目的

最後に、まとめの代わりに、このSTEPNの目的について考えてみたいと思います。

STEPNのアプリはプロジェクトの独自トークンであるGSTの使い道として作られました。そしてプロジェクトの主な収入源はNFTマーケットの利用手数料と靴NFTのMintにかかる利用手数料となっています。

プロジェクトがSTEPNを作った目的は、もちろん利益というものあると思いますが、本気で世の中を良く変えたいとう信念が見えると思います。事実、人々の日々の運動を増加させ、環境対策への寄付は進んでいます。

そして、SNSでよくみられる意見は「他のアプリでは運動が続かなかったけど、STEPNは続いてる」というものです、これはお金の力で人間の弱みをうまく克服しているなと思えます。

最後に、僕がこのアプリに魅力を感じているところ、つまりこのアプリで何がしたいのかというと、ブロックチェーンの世界を一般に広げることです。ブロックチェーンを広げてどうするんだ、と言われると、便利になるからと答えます。銀行はわずらわしくて巨大権力で、手数料の高い投資信託など顧客に不要な商品を売りつけるのが普通になっています、僕はできるだけそんな金融とはつきあいたくなくて、みんながDeFiを利用する世界が早く来てほしいと願っています。

なんか最後はポエミーになってしまいました。寒い…。

というわけで今日の内容は以上です、なにか参考になることがあればうれしいです。

それではまた、DeFi〜(@^^)/~~~

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