【IVSセッションPickUP#4】Web3プロジェクトが気を付けるべきコンプライアンスとは?

DAY0でグローバル市場に打って出ることができるWeb3プロジェクト。
国ごとの税制や規制が異なる中で、どのような点に気を付けるべきか?
話し合われた内容を紹介していきます!

他のIVSのセッションの概要は以下から読むことができます👇

【IVSセッションPickUP#1】日本と韓国のゲーム産業とエコシステムについて
【IVSセッションPickUP#2】地方創生×DAO デジタル村民による新しい地方創生
【IVSセッションPickUP#3】ビットコインのユーティリティとBRC20 Ordinalsのエコシステム

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。

登壇者:

Toku公式サイト:https://www.toku.com/
CoinDesk公式サイト:https://www.coindesk.com/
dYdX Foudation公式サイト:https://dydx.foundation/
  • 多くの企業が問題が起きてから困ることが多い
  • しかし、最初に確認するのは「コンプライアンスを気にしなければならないほどの会社規模ですか?」という点
  • 今の米国の環境ではコンプライアンスのチェックに時間を奪われて、何も開発できずに競争力が落ちるなんてことが起きている。
  • プロダクトを作り始める中、証券法・商品法・デリバティブなど、守るべき規制がたくさんあるので、法律家に頼むと月々$1500必要
  • 最初期が数人のエンジニアから始まるが、最初の優先度は低い

最初に確認するのはコンプライアンスを気にしなければならないほどの規模ですか?という点

米国と日本の違い

  • USと日本の規制は真逆の方向性
  • 日本はとても歓迎ムードですが、アメリカは敵対的
  • 日本は規制がとても明確。日本でビジネスをやりやすいのかどうかは別として、できないことが分かりやすい
  • 日本の規制当局は金融庁だけ
  • 米国ではたくさんの規制機構があってSECが筆頭ですが、あまりに関係者多くて誰に文句を言えばよいのか分からない状態
  • 昨年のFTX事件を受けて、世界的には規制へ傾いている
  • 新しい産業は毎回このフェーズを通る
  • 米国も今の環境だとコンプライアンスのチェックに時間を奪われて何も開発できず、競争力が落ちる事態が起きている
  • 今米国ではかなり敵対的な規制、日本では前向きな規制が展開されているが、落ち着くには時間がかかる

米国のビジネスを日本で展開することについて

  • 昔は米国市場を避けたいという声は少なかったが、最近よく聞くようになってきた。
  • 日本は多くの制約があり、ビジネス展開は簡単ではない
  • シンガポールのほうがビジネスを始めるのは簡単
  • 日本のクラーケンで働いていて撤収した経験から、最新の規制にキャッチアップするのが大変
  • CoinBaseも日本から撤収した過去がある。
  • 日本の規制に準拠しようと思うとかなりお金が物凄くかかる
  • 手間に対して日本の市場規模やプレイヤーの数が付いてくれるか不透明
  • 全ての申請が完了してからじゃないと雇えない
  • トークン発行するなら結局シンガポール
  • 日本も過去に特にコインチェック事件の直後とかは同じような段階を踏んだ
  • 日本だと雇用の規制も厳しい、証拠を集めて相当準備しないと解雇できない
  • 米国だと、例えばキライだから首を切るなんてことはザラにある
  • 日本で特区ができたとしても、税金が本当に高い
  • 日本のプロジェクトのファウンダーの多くは法律的な規制を考えてシンガポールにいる
  • これまでトークンで資金調達の選択肢があったが、今は市場が冷え込んでいるし、規制を気にする必要がある。今は伝統的な方法に戻っているのではないか

dYdXは日本でトークンで発行しようとしているのか?

  • トークンについて言及できないが、フロントエンドをオープンソースに変えていこうとしている
  • どの国からも好きなようにカスタマイズしてそれぞれで規制に準拠できるようにする
  • 日本は独自の変化を遂げると思う
  • 一つのサービスを全ての国に準拠させることは難しいが、各国のサードパーティーが変更を加える場合は規制をくぐれる余地がある

FTXのような事件があったが、ビジネスを展開するには良い時期なのか?

  • 各国にターニングポイントがあり、日本ではコインチェック、USではFTX、韓国ではTerra,LUNAがきっかけです。
  • 日本のクリプト市場はコインチェックの後遺症の厳しい規制による波に乗り遅れたが、規制緩和もすすんでいる
  • 日本は最初から規制があったので、USよりユーザーがいたにもかかわらず、規制のおかげで守られた事実があり、FTX事件ではそんなに波風立たなかった。
  • 一方米国では物凄くネガティブなインプレッションがあった。
  • 規制によりすべてが悪いとも限らない
  • 日本政府からしたら「だからいっただろう」と思っているしれないが、何が良いのか一概に言えない
  • 日本のユニコーン企業を目指すスタートアップが本日IVS集まってすごくポジティブ
  • 米国のWeb3スタートアップは今物凄く悲観的

米国の規制の方向性は変わると思うか?

  • 今はないが、可能性は残っている
  • 日本では今ポジティブなナラティブが説得力があり、「新しい成長のチャンスだ」と一致した意見を持っている
  • 米国ではクリプトの話題は優先度は低く、ネガティブな意見の方が説得力を持っている
  • ロビー活動が必要ですが、ポジティブに動くとは思えない

日本以外ならどの国に行くべきか?

  • スキルセット次第ですが、どこでも働けるのでは?
  • 日本人はシンガポールが好きで住んでいるのではなく、ただ税金が安いから
  • 日本では今は資金を惹きつけるのインセンティブはない
  • 日本の規制は本当に難しいが、規制緩和できる余地はたくさんあるので、半分は条件は満たしている、と言える
  • 香港も歓迎ムードですが、やはりビジネスをするにはハードだと思う
  • タイのバンコクとか選択肢もあるが、本当にそこに移動してまでやるか?という疑問は残る
  • 日本は新しい経済圏を構築して企業や資本を惹きつけようとしてるのは好感が持てる

ライター所感

「米国の規制の方向性は変わると思うか?」の話題の時に観客席から「NO!」と叫ぶ人がいたりして、想像していた以上に米国クリプト市場は悲観的な雰囲気であることが伺えるセッションでした。

また、日本としても「Web3を国家戦略に」を掲げて前向きな姿勢は打ち出したものの、まだまだ規制緩和が追いついておらず、日本でビジネスを始める土壌が整っていない状況も良く理解できる内容でした。規制も一概に良し悪しの判断が難しく、法整備には時間が掛かりそうですが、引き続き政府の動向をウォッチしていきたいと思います。

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