【WebXを10倍有意義にする】ステーブルコインのセッションに付いていくための必読リファレンス3選

  • 2023/7/26 10:00
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日本のステーブルコイン動向には世界が注目

7/25,26の二日間に渡って開催されているCoinPost主催「Web X」。
アジェンダを見ると、ステーブルコインに関するセッションが多く目につきます。

7/25(火)

  • お金の未来:CBDCとステーブルコインの共存は可能?
  • 日本のWeb3はココがズレている(JPYC岡部氏登壇)

7/26(水)

  • 日本でステーブルコイン解禁 暗号資産・金融業界はどう変わる?(日本ステージ:10:00AM – 10:30AM)
  • CBDCのあるべきデザインとは(日本ステージ: 11:00AM – 11:30AM)
  • 日本円がデジタル化 その先に見える未来は(成田 悠輔氏登壇 日本ステージ: 12:30PM – 1:30PM)
  • Pitch: JPYC(JPYC岡部氏登壇。Eホールピッチステージ 1:40PM – 1:55PM)
  • デジタル金融時代 最先端技術がもたらす影響(MUFG Bank / Progmat 齊藤氏登壇 日本ステージ: 2:45PM – 3:15PM)

これだけホットなトピックになっているのは、2023年6月1日の改正資金決済法施行により、法定通貨を裏付けとするステーブルコインが発行可能になったことが大きいでしょう。

日本は世界に先駆けてステーブルコインの規制を明確化したため、グローバルでの注目度も集まっています。

しかしながら、「ステーブルコインって何?」と問われて、すらすらと答えられる人は僅かでしょう。
25日のJPYC岡部氏登壇のセッションでも、各々が各々の理解で話しているので、話がすれ違いがち・・
と苦言を呈していた様子が印象的でした。

そこで、今日のセッションを聴くにあたり、少しでも理解度を高めて臨めるよう、
有用なリファレンスを選定しました。

説明資料 安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図るための
資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案(金融庁)

PDFのダウンロード

p.5の図が、今回の法改正の概要になっています。
後述するJPYCのQ&Aページで説明のある、
「広義のステーブルコイン」が上図の全体、
「狭義のステーブルコイン」が左の黄色箇所に相当します。

6月の施行で可能になったのは、「狭義のステーブルコイン」の発行になります。
裏付け資産を保全していることや、法定通貨に戻す場合のKYCを必須とするなど、
基準が明確化されています。
広義のステーブルコインのうち、基準を満たすものは狭義のステーブルコインとして、
「電子決済手段」というデジタルマネーの仲間に加えていいよ、と定められたことになります。

JPYC/今後のステーブルコイン業界等のQ&Aをご紹介

https://jpyc.co.jp/news/posts/QA_AP

金融庁の難解な資料で分からなかった点は、JPYCのこのQ&Aで補えます。
前述した、「広義のステーブルコイン」「狭義のステーブルコイン」の定義を理解し、
セッションにおいて、「今どちらの話をしているのだろう?」と考えるのがポイントと考えます。

また、以下のQ&Aも、今後の動向を先読みしていくためにも有用な内容です。

Q:スタートアップ企業としてステーブルコインを発行する意味を教えて下さい。

A:長期的には銀行はライバルになりますが、今回の改正では、銀行がステーブルコインを発行するには厳しい内容でした。行政としては、まずは資金移動業者のスタートアップに一旦取り組ませ、それが上手くいったら規制を緩め銀行にも発行させていく方針だと考えています。現状の法律では、銀行発行のステーブルコインではKYCをした口座間しか資金を移動できない制限があるため、「ステーブルコイン」の意味が薄れてしまいます。結果的に、スタートアップに有利な法改正がされたと言えます。

銀行の方がスタートアップよりも規制が厳しく、現状ではスタートアップに有利な法改正となっている。ステーブルコインの発行が可能になったといっても、事業者の形態によって可否が異なるということですね。

令和4年資金決済法等改正に係る政令・内閣府令案等に関するパブリックコメントの結果等について

リンク
PDFのダウンロード

法改正の内容に対するパブリックコメントと、金融庁の回答が閲覧できます。
ブロックチェーンの技術面まで踏み込んだコメント、回答がいくつかありますので、
補助資料として有用です。

オピニオン

いかがでしたでしょうか。
本日WebXに参加される方も、そうでない方も、役立てていただければ幸いです。
ステーブルコインにまつわるトピックでは、技術面の話と、法律面の話を切り分けて理解することが
重要と考えます。JPYCの岡部氏も25日のセッションで発言されていましたが、
同じ言葉でも、技術用語と法律用語で意味が違ったり、また海外の専門用語を直訳した用語が
一人歩きして日本では違う意味になったりなど、用語が統一されていないことでの煩雑さがあります。

JPYCが提言している定義である、「狭義/広義のステーブルコイン」がまず関連した議論で一般的になることが、第一歩目とも考えます。
NNJ編集部では、正しい知見を広げるため、ステーブルコイン関連の情報を整理したコラム記事を作成予定です。ご期待ください。

NFT NEWS Japan 編集部

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