【WebX速報レポート】成田 悠輔氏登場!日本円のデジタル化の未来はどうなる??徹底討論

  • 2023/7/26 14:01
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本記事では、WebX2日目の中でも非常に注目度が高かったセッションの速報レポートをお届けします。

「日本円がデジタル化 その先に見える未来は」と題して、登壇者には、モデレーターに株式会社CoinPostの各務貴仁氏、そしてパネラーにトヨタファイナンシャルサービスの上野直彦氏、SBI金融経済研究所株式会社の副島豊氏、そして半熟仮想株式会社の創設者である成田悠輔氏を迎えて行われました。

お金の便利さとデジタル化の課題

デジタル化の進行は、現代社会のあらゆる側面に影響を与えており、金融分野も例外ではありません。現金はその場での支払いには便利ですが、デジタルマネーは停電などでのリスクが存在します。
成田悠輔氏は、デジタル通貨が提供する「お金の履歴」が個々の社会行動を規定する可能性を指摘します。情報が蓄積されることで、個々の信頼性や行動パターンを判定することが可能となります。
データの蓄積があれば、やがてお金が不必要になる社会もあり得る。そんな可能性が示唆されました。

CBDCとプログラマビリティの重要性

副島豊氏は、デジタル通貨の中でも特にCBDC(中央銀行デジタル通貨)のプログラマビリティが重要であると強調します。通貨のプログラマビリティとは、スマートコントラクトのように、プログラムで通貨をコントロール可能にすることです。ただし、プログラマビリティはプライバシー侵害のリスクをはらんでいます。一方で、CBDCを通じて管理コストを減らせる可能性もあり、決済事業にこれまでできなかった価値を生む可能性を秘めています。

CBDCと現行の決済システムの関係性

CBDCが今ある決済手段とどのように違うのかという問いに対して、副島氏は日本銀行が唯一の債務者として通貨を発行し、それが決済手段となることで、階層構造を薄くし、管理コストを減らすことが可能になると指摘します。
現在の仕組みは、日本銀行、市中銀行、決済事業者と、多層構造になっていることが原因で債務者が増えていき、管理コストが増えています。結果的に、ユーザに手数料を強いることになります。
階層を薄くすることが、CBDCによる解決アプローチであると副島氏は主張しています。

また、CBDCにより、ユーザーが特定の事業者のサービス(○○Pay系)に縛られて長期的にはサービスにロックされてしまうことから解放できる可能性があります。

まとめ

本セッションでは、デジタル通貨とその影響について幅広く議論が交わされました。デジタル通貨の便利さ、CBDCとプログラマビリティの重要性、そしてCBDCと現行の決済システムとの関係性についての洞察が得られました。デジタル通貨の可能性とともに、プライバシー保護や公平性の確保などの課題も浮き彫りになりました。これらは、デジタル通貨の未来形成において重要な問題となるでしょう。各界のエキスパートが集うこのような議論は、デジタル通貨が社会に及ぼす影響を理解し、未来を予測する上で非常に重要です。

オピニオン

CBDCは中央銀行が発行する電子マネーとなるため、便利さと、プライバシー保持という二つのトレードオフをどうバランスをとって実現していくのか、官民交えた議論が必要と感じます。
また、本セッションでは、「そもそもお金って要らなくならないか?データがあれば。」という成田氏の問題提起も、ハッとさせられる瞬間でした。お金は経済活動の手段であって目的ではない。
遠い未来、お金の役割がお金以外に変わっているということも想像すると、web3のさまざまなプロダクトも違って見えてきますね。

NFT NEWS Japan 編集部

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