【速報】Startale Labsは5年でアジアを代表するweb3カンパニーを目指す
Web XにてAstar Networkからアナウンス
7/25,26の二日間に渡って開催されているCoinPost主催「Web X」にて、Astar Networkファウンダー)渡辺 創太氏よりAstar Networkの今後の戦略について発表がありました。
Astar Networkは、非営利組織であるAstar Foundationと、営利組織であるStartale Labsから成り、
今回のアナウンスはStartale Labsにフォーカスしたものになっています。
Astarの考えるweb3の課題
「Web3 for Billions」。それがAstarのビジョンであり、Web3の世界を大衆に浸透させるという壮大な挑戦です。しかし、それは一筋縄ではいかない課題に直面しています。
マスアダプションの難しさ
Web3はまだ一般社会にマスアダプションされていません。
Web3を既存のインフラに追加することは困難で、規制問題も複雑さを増しています。
また、Web3の「キラーユースケース」が見つかっていません
Web3のエコシステムには、多くの強力なプレイヤーが存在します。彼らはそれぞれ特定の領域で素晴らしい仕事を行っています。レイヤー1ブロックチェーン、ウォレット、アプリケーションなど。
その一方で、エコシステム全体を縦に統合するプレイヤーは見当たらないのが現状です。
つまり、「エンジンを作る会社はあるが、それを組み込み全体として良い車を作る会社がいない」という状況です。これがWeb3の拡大を阻んでいる一つの要因です。
さらに、既存の金融市場と比較すると、Web3のマーケットサイズは100倍以上小さいという現実もあります。
Startale Labsの戦略:垂直統合と実世界アセットの活用
しかし、Startale Labsは、5年以内にWeb3エコシステムを垂直統合し、
リアルのアセットも取り扱えるようにすることを目指しています。
そのためにStartale Labsは、ソニーより5億円を調達し、グローバルなWeb3のインフラストラクチャーを構築します。彼らはさまざまなアジアの企業と連携していく予定であり、すでにNTT Degitalとの協業も発表されています。
既存の金融との接続にも着手しており、CBDCフォーラムに参加することで、既存の金融と提携してWeb3の普及を推進していく方針です。
そして、「Startale Service Cloud」の構築を進めており、これはクリック一つでブロックチェーンのインフラからアプリケーションまで作れるオールインワンのツールを目指しています。
最近の取り組みと今後の展望
Startale Labsは、既にいくつかの先進的な取り組みを実施しています。セブン銀行ATMのNFT募金キャンペーン、JR九州NFTマーケット、羽田空港でのNFT活用、NFTプリクラなど、NFTを利用した新しい体験を提供しています。彼らの目指すのは、「NFTを持っていると、宿泊の割引が効いていた」といった形で、一般の人々が自然とNFTを利用する社会の実現です。
今後4年以内には既存の金融に進出し、Web3との接続を行う予定です。5年後にはアジアを代表するWeb3のリーディングカンパニーになることを目指しています。Startale Labsにとっての次の6ヶ月は勝負の時であり、規制当局との規制面での調整、世界で戦えるプロダクト作り、環境作りを行っていくと、渡辺氏は宣言しています。
オピニオン
IVSでの発表と比べ大きなアップデートはなかったが、アジアを代表するweb3カンパニーを目指すという強い意志を感じたプレゼンであった。
web3プロダクトを垂直統合で開発できる仕組みが整うことで、あらゆる企業がweb3を使ったサービス提供に進出しやすくなり、マスアダプションにぐっと近づく。とても納得感のある戦略です。
一方で、様々な大企業、既存金融との接続が加速することで、技術的なしがらみや制限、既得権益が発生し技術の更新がしづらくなるなど、web3元来のインターオペラビリティが失われていくリスクもあると考えます。その点の舵取りをどうリードしていくのか、Startale Labsの展開には要注目です。