【IVSセッションPickUP#1】日本と韓国のゲーム産業とエコシステムについて
IVSのセッションは英語で行われたものも多く、「聞きに行ったけど内容が良く分からなかった」という方もいらっしゃると思います。
この記事ではIVS最終日の6/30に行われた『日本と韓国のゲームのエコシステムについて』というテーマで行われた、韓国発のXPLA社と、日本初のOasys社による対談の概要をお届けします。
【IVSセッションPickUP#2】地方創生×DAO デジタル村民による新しい地方創生
【IVSセッションPickUP#3】ビットコインのユーティリティとBRC20 Ordinalsのエコシステム
【IVSセッションPickUP#4】Web3プロジェクトが気を付けるべきコンプライアンスとは?
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
- 登壇者:
Emoote公式サイト:https://emoote.com/
Oasys公式サイト:https://www.oasys.games/
XPLA公式サイト:https://xpla.io/
Web3へ参入するキッカケは何だったか?
XPLA:Paul Kim(@pkhr2013) 会社紹介
- 昨年(2022年)3月からWeb3へ参入
- 韓国のゲーム業界が完全にレッドオーシャンだった中、Axieーが爆発的に広まった時にWeb3ゲームに参入することを決めた。
- ゲーム開発自体はそこまで変わっておらず、3~5年かかる。
- Web3へ参入は既存のゲームにアドオンするだけよく、再構築が不要だったことが利点。
「何ができるか」の選択肢が増えた
Oasys:Matsubara Ryo(@ryomat20) 会社紹介
- サイドチェーンやLayer2がブロックチェーンのトリレンマを解消しうる有効な手段
- Layer2を組み合わせることでスケーラビリティの問題を解決できると感じて、OASISを立ち上げた。
- 以前はGumiで働いていた。セガ・ナムコなどゲーム会社大手が株主で狭い世界。
Layer1プラットフォームとして、XLPAの優位性は?
- クリエイターのためのエコシステムを作ろうとしている
- ゲームだけでなく、TV番組、映画、音楽全てのコンテンツにアクセスできる。
今までゲーム領域に注力していてノウハウも貯まってきている。
韓国でのゲームのWeb3領域の現状は?
- 小さい企業ほど飛び込みやすく、大企業はどう参入するか様子を伺っている段階
- 将来的にはたくさんのチェーンが生まれるが、プレーヤーはUXでしか比較はできない。
- 大きなゲームチェンジは起きにくいが、市場のパイが成長することを期待している。
日本のゲーム市場について
- 日本の伝統的なゲーム業界は韓国より更にレッドオーシャン
- 顧客からの「よりリッチなゲーム体験」の要求に応えるため、年々製作費が膨れ上がっている。
- ゲームを一つ開発するのに$20MillionUSD(約30億円)かかるが、ヒットする成功率はとても低い。
- Oasysはゲーム業界だけでなく、あらゆる産業を巻き込もうとしている
韓国での規制について
- 韓国政府はTera事件で何が起きたのか、説明を聞きたがっている。
- 規制の内容が明確になってほしい。そうすれば何ができるのか、できないのか検討できる。
- 韓国のトレードボリュームが非常に大きく、コミュニティが強い。
- 海外の会社が直接韓国でブロックチェーンのサービスを提供しようとするとBANされるのが現状。
- 規制緩和を働きかけているが時間がかかっており、もっと急ぐ必要がある。
- 昨年韓国ではTeraやFTXの犠牲者が多かった。
日本では規制のおかげで被害は少なかった。 - 日本の規制は開かれていて、市場が盛り上がってきている。
- 日本では事業体が発行した―トークンへの課税は緩和されたが、まだ不十分。
Web3の人口統計、日本と韓国の違いは?
- 今のメインユーザーはWeb3ユーザーではなく、投機家・トレーダー。
- Web2のゲームコミュニティをWeb3へ引き込むことが今後のミッション。
- ゲーム開発は3~5年かかるので、短期的な話ではなく、より長期的な目線で考えている。
サステナブルなエコシステムにする必要がある。 - Web3への移行は差別化。投資の要素は旧来のゲーミング産業には新しい概念。
- 米国が現状では最大の市場。中国と日本以外の地域は分散している。
- 1ユーザーあたりの平均的売り上げ(ARPU)が高い国:日本・韓国・米国・中国
日本は重要な市場の一つ - ASEANは誰もがスマホをもち、ユーザーのポテンシャルがある新しいフロンティア。
どのようにアプローチするか慎重に考える必要がある。