【IVSセッションPickUP#3】ビットコインのユーティリティとBRC20 Ordinalsのエコシステム
このセッションでは、アメリカでBTCビジネスを展開する企業からの視点で、BTCとETHの違いや、なぜBTCにそこまで期待を寄せているのか、ビットコインETFやNFTについてなど、幅広い話題について話し合われました。
他のIVSのセッションの概要は以下から読むことができます👇
【IVSセッションPickUP#1】日本と韓国のゲーム産業とエコシステムについて
【IVSセッションPickUP#2】地方創生×DAO デジタル村民による新しい地方創生
【IVSセッションPickUP#4】Web3プロジェクトが気を付けるべきコンプライアンスとは?
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
- 登壇者:
Sora Ventures 公式サイト:https://sora.vc//Jason Fang(@JasonSoraVC)
BTC Inc. 公式サイト:https://b.tc//John Riggins(@DistRiggs)
General Mint Inc. 公式サイト:https://www.withgmi.io//Alex Yeh(@alex_yehya)
ETHで構築するのと何が違うのか?
- BTCは根本的にETHとファンダメンタルが違う。
チェーン | ビットコイン BTC | イーサリアム ETH |
---|---|---|
創造者 | サトシ・ナカモト | ヴィタリック・ブテリン チャールズ・ホスキンソン ギャビン・ウッドなど |
ローンチ日 | 2009年1月 | 2015年7月 |
目的の違い | フィアット通貨に代わる信頼できる通貨 (交換媒体、価値の保存) | イーサを介してプログラム・コントラクトと アプリケーションを実行するプラットフォーム |
コンセンサス・アルゴリズム 合意方式 | PoW プルーフ・オブ・ワーク | PoS プルーフ・オブ・ステーク |
ブロック処理時間 | 平均10分 | 平均15秒 |
トランザクション処理能力 | 7トランザクション/秒 | 30トランザクション/秒 |
供給量 | 有限 (上限値2,100万BTC) | 無限 |
- 今のOrdinalsのムーブメントはBTCにとって追い風と感じている。
- いろんなプロジェクトがBTCに上に乗っている
- ロバストなトランザクションが強み
- 中国がシャットダウンした時も全体のエコシステムは問題なく稼働していた
- 中国のような国はFacebookなどの企業を締め出してきたが、BTC、サトシの思想の面白いことは、それができないこと
- 中国で規制されたときにやめるか、他へ移動するの選択肢はあるが、BTCは無くなりはしない
- どの国であろうと、シャットダウンすることができない
ビットコインETFが承認されるなど潮流が変わってきたが、今後ブル市場になると思うか?
- ETFではオンチェーンで取引できないので、オフショア取引しかできない。
- 流動性があがり、BTCはキャピタルショックを吸収する最適なアセットになるだろう。
- EFT承認には興奮しており、価格も上がるだろうが、実際のBTCとは流動性ギャップがあり、BTCの市場価格に追随できないのではないか?
- チャレンジではあると思うが、イチ投資家としては、新しいアセットの選択肢として増えてうれしい
- BTCがセキュリティ・永続性が特徴として挙げられるが、ユーティリティ機能が開かれたら、ETHについて再考する時期が来るだろう。今はまだ早いかもしれないが
- 今後よりたくさんのエンジニアがBTC上で開発をはじめるだろう
- 一晩でスゴイ稼げるときもあり、とてもエキサイティング
BTCとステーブルコインについて
- 現状ステーブルコインはUSドルにペグされているが、BTCはフィアット(紙幣)に頼らずに価値を保てる唯一のアセットと言える
- 米国以外の国が刷る紙幣が価値を持つには、USドルと交換できることが必要
- BTCのスケーリングソリューションはBTC上でステーブルコインを実装すること
- BTC上でステーブルコインが発行できるようになれば新興国では特に有用になるだろうし、待ち望まれている
AZUKIを始めとするNFTトレンドについてどう思うか?
- NFTの価値の急落を受けてBTCの価値が見直されつつある
- あとから数を増やすことで価値が下落するが、BTCのSatoshiの数は有限なので、価値が保てるのではないか
- 今はBTCのガス代は高いが、将来的にはゼロ近くまで引き下げられるだろう
- 特定のレアなシリアルナンバーを買うことは盛んになるのでは。特にアジアではラッキーナンバーの(数字で縁起を担ぐ)文化がある
- マッチングサービスのように機能しそう
- ナラティブも大事だが、冒頭で述べたようにBTCと他のトークンでは根本設計が異なる
- 半減期がくると価格が上がってくるだろう
- いずれ誰がたくさんBTCを持っているかのゲームになってくる
米国のBTC投資家のマインドセットは?
- どのタイプの投資家かによるが、富裕層にとっては、あくまでリスク分散手段の一つ
- 技術に興奮している層の機運が高まった時、異なる産業にも影響が波及するだろう
- 来年7月にBTCカンファレンスも控えている
※Bitcoin2024年:https://b.tc/conference/2024
クジラ投資家たちのカストディについて
- ETFもあるが、セルフカストディがトレンドになる
- ただセルフカストディは難しく、そのソリューションが盛り上がるだろう
- 今はカストディはカストディ専門、資産運用は運用専門の会社で分かれているが、そのうち中央集権的なカストディのオプションも出てくるだろう
- ヘッジファンドのような運用をするにはまだライセンスが追い付いてない
- 投資家からはテクノロジーのロバスト性が注目されている
ライター所感
ETHとBTCの違いなど基本に立ち返る話や、ビットコインETF承認に対する投資家目線の話など、「なぜビットコインにベットするのか」の部分は勉強になりました。
BTCのユーティリティ機能の開発や、マイニングに携わっている企業は長期の時間軸で「こうなったほうが面白い」というロマンを追い求めている、コアなビットコイナーたちだなーと感じました。
ビットコインの可能性を信じている人々の話は未来志向で聴いていて非常に面白く、刺激に満ちている一方で、話が高度で話の半分くらい分からなかったので、ビットコインについて引き続き勉強して機を見てま記事化していきます。