現場の見える化と効率化 日立の「現場拡張メタバース」
かねてより株式会社日立製作所は、同社の携わる建設・製造・保全などの現場で、現場関係者と現場外関係者との情報共有や共通理解を促進させ、現場業務がスムーズになるようメタバース技術の開発に取り組んできました。
先日「現場拡張メタバース」と名付けられた技術が発表されました。
現場が抱える課題
建設や製造業の現場では
・長時間労働
・人材不足
・高齢化
といった問題があり、これらを解決するために熟年労働者のノウハウの伝授や少人数でも同じパフォーマンスを発揮するための業務効率化が求められています。
しかしながらIT分野に比べると、リアルの現場では業務データの収集や活用について以下のような課題がありました。
・データ収集が十分にできているかどうか
・どの設備の何に関するデータなのか
・収集データを現場へ十分な落とし込みができるかどうか
・リモートで、かつリアルタイムで関係者が情報共有できるかどうか
・大量のデータへスムーズにアクセスできるかどうか
・デバイスやソフトウェアを使いこなせるかどうか
「現場拡張メタバース」が切り拓く
日立は簡単な3Dスキャン技術などを使って現場をすばやく仮想空間に再現し、それを現場データの蓄積や可視化するプラットフォームとして位置づけました。
・5W1Hを含めた、スピーディな情報収集
・AI技術を使用したデータ活用
・ウェブブラウザで簡単に見れるデータ
を特徴とし、デジタル技術に不慣れな人材でもデータを容易に活用できるようにしています。
日立は今回の新たなメタバース活用技術を、原子力発電所の実寸大模型を移設工事に応用しています。
現場の作業員や遠隔地にいる関係者がメタバース上で情報を共有し、現場状況の情報共有や共通理解の確認が取れました。
メタバースには、現場で集めたデータがインプットされています。
また作業の状況を確認したい作業員が生成AIに質問を投げかけると、データを抽出して回答するので作業効率も大幅に上昇しています。
まとめ
メタバースが製造・建築で使用されるケースです。
メタバースの仮想空間と、リアルの現場にいる人がARで情報をリンクできるようになると、さらに拡張性があります。
これが大きな企業だけでなく一般ユーザーまで広がると、例えば注文住宅を建てる際のシミュレーションなどに使用できそうです。