DAOの先頭集団「Optimism」のガバナンスを世界一やさしく解説
先日行われたWebXでは、「日本におけるコミュニタリアニズム的DAOの発生とその可能性」と題してDAOの最前線で何が模索されているのか、大変にディープで熱いセッションが繰り広げられました。
セッションの中で、何度か触れられたトピックが「Optimism」のガバナンス。
記者はセッションを聴講している時点では、「Optimism」について「イーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンである」という程度の理解だったため、どういった文脈で個別具体例としてOptimismがリファレンスされているのか、分かりかねていました。
DAO最前線での動向を知る上で重要と思われるOptimismについて、読者の皆様と一緒に勉強していくスタンスで、記事をしたためていこうと思います。
調べていくと、Web3元来の分散性や公共財を重んじる思想を維持しながら、ガバナンスのために二院制を導入するといった、ユニークな取り組みが見えてきました。
本記事では、分かりやすさ、敷居の低さを重視し、以下「中学生にも伝わるような」文体で解説していきます!
Optimismのビジョンって何?
Optimismっていうのは、新しいデジタルの世界、Web3っていうのを作り上げようとしているグループなんだ。Web3っていうのは、インターネットの新しい形で、みんながもっと自由に、もっと公平に参加できるようにするためのものなんだよ。Optimismの目指しているのは、この新しい世界が、みんな、つまり市民によって管理されることなんだ。そして、そのためには、みんなが一緒になって、みんなのためになるものを作り出すことを奨励し、そのためには報酬を与える新しい方法が必要だと考えているんだ。
その中心にあるのが、「impact=profit」の原則。これは、「みんなにとって良い影響を与えた人は、それに見合った報酬をもらうべきだ」という考え方だよ。
以下に、Optimismのビジョンを詳しく説明していくよ。
Optimism Collectiveとは?
Optimism Collectiveは、みんなで協力して、Ethereum(イーサリアム)というブロックチェーン基盤の未来を作り上げるためのグループだよ。OptimismはEthereumを親としたら、子どもにあたるブロックチェーンと言えるかな。
企業やコミュニティ、一般の人々が一緒になって、公共の利益になるものを作り出すことを奨励しているんだ。そして、その中心にあるのが、「impact=profit」の原則。これは、繰り返しになるけれど「みんなにとって良い影響を与えた人は、それに見合った報酬をもらうべきだ」という考え方だよ。
公共の利益って何?
公共の利益とは、みんなが利用できて、みんなのためになるもののことを指すよ。例えば、公園や図書館、学校などがそれにあたるね。デジタルの世界でも、みんなが使えて、みんなのためになるものがあるんだ。
なぜ公共の利益を奨励するの?
公共の利益を作り出すことは、みんなにとって良いことだけど、そのためにはお金や時間、労力が必要だよね。でも、その報酬が十分に得られないと、みんなが公共の利益を作り出すことをためらってしまう。そこでOptimism Collectiveは、「impact=profit」の原則に基づいて、公共の利益を作り出した人たちに報酬を与える新しい方法を考え出したんだ。
どうやって報酬を与えるの?
Optimism Collectiveは、「遡及的公共財資金提供(Retroactive Public Goods Funding)」という方法を使って、公共の利益を作り出した人たちに報酬を与えるよ。
むずかしい言葉だけど、ここで読むのを止めないでね・・。
これは、何が有用だったか、誰がそれを作ったかを後から評価し、その結果に基づいて報酬を与える方法だよ。
Optimism Collectiveのガバナンス
Optimism Collectiveの運営は、「Token House」と「Citizens’ House」の2つの部分で行われるよ。
Token Houseとは?
Token Houseは、Optimism Collectiveのトークン(OPトークン)を持っている人たちの集まりだよ。彼らは、Optimism Collectiveの運営に関する提案を出したり、議論したり、投票したりする役割を持っているんだ。
Citizens’ Houseとは?
Citizens’ Houseは、公共の利益を後から評価し、報酬を与える「遡及的公共財資金提供」の部分を担当しているよ。この部分は、Optimism Collectiveが成長するにつれて、どんどん大きくなる予定だよ。
Token HouseとCitizens’ Houseは、Optimism Collectiveの運営を一緒に行うことで、公共の利益を作り出すことを奨励し、Ethereum,およびOptimismの未来を作り上げていくんだ。
オピニオン
概要はつかめましたでしょうか??
様々なブロックチェーンが開発競争でひしめき合う中、「公共の利益」をビジョンとして掲げるOptimismは、イーサリアムの思想を純粋に受け継いでいることが伺えますね。
レイヤー2ブロックチェーンの開発競争では、スループットなどの性能、Dappsの数だったり時価総額などの数値指標で語られることも多いですが、こういったビジョンの妥当性、納得性というのも、立派な評価観点なりうると感じます。
また、”Optimism Collectiveの運営は、「Token House」と「Citizens’ House」の2つの部分で行われる”というところに関して、二院制というと物理世界(Web0)の政治の世界との共通性が見いだせます。
DAOといっても、より良きガバナンスの在り方を追求していくと、結局インターネットがなかった時代からのやり方に通じてくるということでしょう。
DAOの分野では、ますます従来の政治経済と同軸に語られることが増えていくと考えます。
政治の世界の方法論に、逆輸入的にDAOが影響を与えていく未来も、十分にありえますね。
DAOの最新動向から、目が離せません。