【WebX速報レポート】DAO最前線の有識者が集結!DAOの今と未来を語る

  • 2023/7/26 18:55
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本セッションでは、「日本におけるコミュニタリアニズム的DAOの発生とその可能性」と題し、第一線のプレイヤー達が議論を交わしました。登壇者は、Fracton Ventures株式会社の共同創設者である鈴木雄大氏、株式会社bitFlyerのCrypto Strategy部門の責任者である金光碧氏、そしてSolidity HouseのCEOである落合渉悟氏の3名です。それぞれが持つ深い知識と経験をもとに、コミュニタリアニズム的DAOの可能性についての見解を展開しました。

コミュニタリアニズムの定義とDAOの課題

まず、コミュニタリアニズムの定義と、DAOの現状の課題について議論が交わされました。コミュニタリアニズムは共同体を尊重する考え方であり、DAOの運営においても人間的なアプローチが重要であると述べられました。また、すべてがスマートコントラクトでできるわけではありません。ある人がオフチェーンでのコミュニケーションの結果を無視して、独断で投票開始したなど、オンチェーンのガバナンスを行うDAOでも、コミュニティ内とうまくいかない具体的事例も挙げられました。

山古志村の事例とDAOのツール

次に、山古志村の事例とDAOのツールについて議論が行われました。金光氏は、山古志村の事例に関わっており、リアル村民とデジタル村民が一緒に自発的に進めていると述べました。また、snapshotなどツールやQuadratic Votingなどの投票方式があるものの、日本のDAOになじむツールがなかなかないと指摘しました。

徴税機能とインセンティブ設計

最後に、徴税機能とインセンティブ設計について議論が行われました。落合氏は、DAOメンバーから定期的に税のような徴収をしたい場合、毎月債務が増えていく仕組みを作ることで、徴税機能をオンチェーンで実現できると提案しました。また、金光氏は、経済的なインセンティブがないとDAOは続かないと述べ、インセンティブ設計の難しさを指摘しました。

まとめ

本イベントでは、日本におけるコミュニタリアニズム的DAOの発生とその可能性について深く議論されました。コミュニタリアニズムの定義、DAOの現状の課題、山古志村の事例とDAOのツール、徴税機能とインセンティブ設計など、多角的な視点から考察が行われました。今後のDAOの発展に向けて、これらの議論は重要な指針となるでしょう。

オピニオン

登壇者の顔ぶれを見て、第一線の有識者であるとともに実践知を積み重ねているお三方だけに、記者個人として非常に注目のセッションであった。その期待を大きく超え、リアルな事例と、抽象論も含むDAOのあり方を行ったり来たりする、刺激に溢れたトークが繰り広げられた。

DAOというと、「完全にオンチェーンですべてに匿名性がある。お互いの顔は知らない。」というDAO観が一昨年〜昨年あたりは主流だった印象があるが、そのフェーズは通り越し、リアルな生活のコミュニティの延長としてのDAOが語られるようになったと感じています。
落合氏が佐賀県で携わる地域のDAO然り、金光氏が携わる山古志村DAO然り。
オンチェーンに適していること、オフチェーンに適していること、インターネットすら使わず対話した方が適していること、などコミュニティにはさまざまな運営アプローチがある。

「DAOにもビジョンが必要」という金光氏の言葉が印象的であったが、ビジョンを共有し、コミュニティのために最適な手段としてブロックチェーンを含めたツールを選定していくことが重要と考えます。DAO自体が目的となるフェーズが終わり、ミッションのためにどんなコミュニティが構成できるのか、人類の壮大な社会実験はまだ始まったばかりです。

NFT NEWS Japan 編集部

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