効率の良い複利の頻度について

おはようございます、手数料専門家のヒヨコロです。

今日は、DeFiで資産運用するときの複利の頻度について考えていきたいと思います。

複利とは

まず、複利というのは、投資に対して生まれた利息を再投資することです。利子に対しても利子がつくので、直線ではなくて二次関数的に資産を増やすことができます。アインシュタインさんも「複利は人類史上で最大の発明だ」という意味のことをおっしゃっていたとか。

上のグラフは青い直線が単利、オレンジの曲線が複利を表しています。どちらも100万円を年利5%で預けていますが、オレンジは1年で生まれた利子を元本に加えるというひと手間をかけています。このひと手間で20年後には60万円以上の差になっています。

複利運用のメリット・デメリット

上手に複利運用をすると利回りを最大化できるメリットがある一方で、デメリットは次のようなことです。

  • 作業がめんどくさい
  • 利回りの回収と再投資に手数料がかかる

ということは、生まれた利回りを再投資する作業(DeFiの世界ではこれをコンパウンドといいます)の回数を減らせば、めんどくささも減りますし、かかる手数料も削減できて一石二鳥です。

しかし、あまりに回数を減らしすぎると複利のメリットである「利回りの最大化」が小さくなってしまいそうです。

だから、今日は最適なコンパウンドの回数を調べる方法と、現実的な運用を一緒に考えていきます。

コンパウンドにかかる手数料

コンパウンドにかかる手数料は、それぞれのプロジェクトのそれぞれの商品ごとに違います。ファーミングするだけで利回りを自動コンパウンドしてくれるプロジェクトもあります。

よくあるのは、

  1. 利回りを請求して
  2. その利回りを再投資する資産に交換
  3. 再投資

という3手順を踏むことになるかと思います。この手順もそれぞれの商品ごと、自分のやりたい再投資ごとに違うので、ご自分の投資商品をよく調べてみてください。

この手数料は、一般的なところでは例えばイーサリアムだとその時のガス代にもよるのですが$30~$80程度、BSCだと$0.5~$1.0程度、Solanaだと数円程度です。

なお、取引時には手数料の予想が示されていて、実際にかかった手数料は各チェーンのブロックエクスプローラ(EtherScan、BscScan、SolScanなど)で見ることができます。

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PancakeSwapでのコンパウンドの実例

PancakeSwapになにかしら資金を預けて、ファーミングで一日あたり$4.8のCAKE報酬がもらえたとします。これを回収して、AutoCAKEプールに預け入れるまでの手数料が$0.8程度、こういう運用を表にしたのが下の図です。

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毎日コンパウンド

AutoCAKEプールで毎日コンパウンドした時の数字、つまり利子分は上の表のとおりです。7日目には28.138$の利子が得られています。一方、得られたCAKEをほったらかしにしておくと、$4.8 * 7日間で$33.6が生まれています。毎日コンパウンドするのに手数料が$0.8 * 7=$5.6もとられているから、複利の作業をすればするほど赤字の状態です。

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週1回コンパウンド

次に週1回のコンパウンドです。7日目には$32.8の利子が得られています。毎日よりはまだこちらの方が効率がよさそうです。

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30日に1回コンパウンド

次に30日に1回のコンパウンドです。効率はとても良いですが、利回りが得られない期間が長いのでどうなのでしょうか?

これらをグラフにして比べてみます。

毎日が青、週1が黄色、月1が緑です。(赤色はコンパウンドしない場合の参考です)

毎日コンパウンドするよりは、週1回か月1回のコンパウンドのほうが利回りが高くなっています。

次に、何日に一度のコンパウンドが一番効率が良いのかをグラフにしてみました。

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横軸は頻度(日/回)で、左にいくほど頻度が高く、右にいくほど頻度が低いという図になっています。ご覧のとおり傾きが緩やかなので、週1くらいから月1、そしてその先はあまり差がありません。

もっと詳しく

上の図のグラフでわかるように、毎日コンパウンドは逆に効率が悪く、7日に1回くらいから先は変化が緩やかになり、あまり変わらなくなってきます。

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報酬額が同じでもガス代は一定なので、報酬を貯めてから一気にコンパウンドした方が効率は良いのですが、もらえる報酬と有効な投資金額の比で表される再投資の効率が95%くらいから先は変化がとても緩やかになっています。

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何日に1回が一番効率が良いのか、およその日数を求める式がこちらです。よければ参考にしてみてください。

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d=1回のコンパウンドにかかる手数料(ガス代)
A=1日あたりにLPファーミングで得られる報酬($)
k=1日あたり運用先の利率(APR(%)/365(日)

参考:【考察】PancakeSwapのHarvest(収穫)の頻度について

まとめ

まとめます。再投資の額に対する手数料の比がおよそ1/20以上になると効率がどんどん悪くなってくるので、再投資の額が手数料の20倍以上になるのを待ってから、というのが一つの目安になりそうです。

それ以上であればあまり変わらないので、あとは手間との相談になります。どんなに手数料が安くても、多くて週に1回くらいが良いのかなと思います。

最近はどんどんUIが便利になってきます。Orcaでは流動性の提供をする資産を自動的に50:50の比になるよう両替してくれる機能があります。

というわけで今日の記事は以上です、この内容が参考になればうれしいです。

次の回は何にしましょうか、DeFiの外の世界の手数料のお話も面白そうですね。何かリクエストがありましたらMedia DAOのDiscord内にある「ヒヨコロ編集室」までご意見いただけるとうれしいです。

それではまた、DeFi〜(@^^)/~~~

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