中央集権とブロックチェーン: 相反する二つが結びつく時

金融業界がブロックチェーン技術との統合を進める中、SwiftとChainlinkの連携が注目を浴びています

この記事では、以下の点について解説します。

  • Swiftがどのようにして中央銀行デジタル通貨(CBDC)と他のデジタル資産との相互接続性をサポートする可能性があるのか
  • Chainlinkの技術がどのように金融機関間のトークン化された資産の転送を安全かつスケーラブルに行うのか

参考記事①:Swiftとは 世界中の銀行を結ぶ送金インフラ(外部サイト)
参考記事②:チェーンリンク(Chainlink/LINK)とは?(外部サイト)

SwiftとChainlinkの連携の背景

Swiftは、グローバルな銀行間通信サービスとして、ChainlinkのCross Chain Interoperability Protocolを活用して、トークン化された資産をブロックチェーン間で安全かつスケーラブルに転送する方法を示す報告書を公開しました。

参考記事:Swift unlocks potential of tokenisation with successful blockchain experiments

  • 既存の Swift インフラストラクチャを CCIP 経由で複数のブロックチェーンに接続
  • パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーン間のトークン化された資産転送の促進
  • オンチェーン資産の 3 つのユースケースにわたって複数のトークン転送を実行

金融業界への影響

Chainlinkの共同創設者は、既存の銀行システムを使用して、プライベートチェーン/銀行とパブリックチェーンを統合する能力は、全世界の金融業界がブロックチェーン業界に流れ込むための大きな鍵であると述べました。

https://twitter.com/SergeyNazarov/status/1697282897248649557

中央集権化に関する懸念

ChainlinkのCCIP(ブリッジングプロトコル)は、完全に分散化されていない可能性のあるCBDCをリンクする能力を示していますが、業界の一部の参加者はChainlink自体が分散化を欠いていると指摘しています。

業界の反応

過去には、Ethereumの創設者であるVitalik ButerinがChainlinkのセキュリティモデルについて懸念するコメントを残しています。

https://twitter.com/VitalikButerin/status/1479501366192132099

オピニオン

中央集権の代表とも言えるSwiftがブロックチェーンの活用の可能性を示す報告を行ったことは、非常に注目すべき点です。
このようなユースケースを増やし、人々の体験価値を向上させる取り組みは、今後も積極的に進めていくべきだと考えます。

確かに、中央集権性への懸念は理解し、適切に議論する必要があります。
しかし、分散化を目的とするのではなく、
「人類にとってどのように便利なシステムやサービスを提供できるか」
を最優先に考えるべき時代になってきたと感じます。

画像ソース:Photon photo / Shutterstock.com

鈴木 康男記者/エンジニア

投稿者プロフィール

2021年にWeb3に関するテクノロジーの急伸に衝撃と強い興味関心を抱き、ブロックチェーンに関するエンジニアリングを独学で学ぶ。
コミュニティやハッカソンでのプロダクト開発や、Web3に関する発信活動も行う。

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