中央集権とブロックチェーン: 相反する二つが結びつく時
金融業界がブロックチェーン技術との統合を進める中、SwiftとChainlinkの連携が注目を浴びています
この記事では、以下の点について解説します。
- Swiftがどのようにして中央銀行デジタル通貨(CBDC)と他のデジタル資産との相互接続性をサポートする可能性があるのか
- Chainlinkの技術がどのように金融機関間のトークン化された資産の転送を安全かつスケーラブルに行うのか
参考記事①:Swiftとは 世界中の銀行を結ぶ送金インフラ(外部サイト)
参考記事②:チェーンリンク(Chainlink/LINK)とは?(外部サイト)
SwiftとChainlinkの連携の背景
Swiftは、グローバルな銀行間通信サービスとして、ChainlinkのCross Chain Interoperability Protocolを活用して、トークン化された資産をブロックチェーン間で安全かつスケーラブルに転送する方法を示す報告書を公開しました。
参考記事:Swift unlocks potential of tokenisation with successful blockchain experiments
- 既存の Swift インフラストラクチャを CCIP 経由で複数のブロックチェーンに接続
- パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーン間のトークン化された資産転送の促進
- オンチェーン資産の 3 つのユースケースにわたって複数のトークン転送を実行
金融業界への影響
Chainlinkの共同創設者は、既存の銀行システムを使用して、プライベートチェーン/銀行とパブリックチェーンを統合する能力は、全世界の金融業界がブロックチェーン業界に流れ込むための大きな鍵であると述べました。
中央集権化に関する懸念
ChainlinkのCCIP(ブリッジングプロトコル)は、完全に分散化されていない可能性のあるCBDCをリンクする能力を示していますが、業界の一部の参加者はChainlink自体が分散化を欠いていると指摘しています。
業界の反応
過去には、Ethereumの創設者であるVitalik ButerinがChainlinkのセキュリティモデルについて懸念するコメントを残しています。
オピニオン
中央集権の代表とも言えるSwiftがブロックチェーンの活用の可能性を示す報告を行ったことは、非常に注目すべき点です。
このようなユースケースを増やし、人々の体験価値を向上させる取り組みは、今後も積極的に進めていくべきだと考えます。
確かに、中央集権性への懸念は理解し、適切に議論する必要があります。
しかし、分散化を目的とするのではなく、
「人類にとってどのように便利なシステムやサービスを提供できるか」
を最優先に考えるべき時代になってきたと感じます。
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