MakerDAOの新たな方向性: トークン化T-Bills提案の背景と展望

米国の短期債をトークン化する提案が議論されています。
デジタル資産の世界で新たな動向として注目されているのが「トークン化されたT-Bills」です。
記事ソース:https://forum.makerdao.com/t/next-steps-tokenized-t-bills/21977

この記事では

  • T-Billsが何か
  • MakerDAOがどのようにしてT-Billsの投資を進めてきたのか
  • これからの展望

について解説します。

T-Billsとは

T-Bills(Treasury Bills)はアメリカ合衆国の短期国債を指します。
アメリカ政府の信用に基づいて発行されるため、無リスクと見なされることが多いです。
高い流動性を持ち、短期間での売買が容易です。

参考サイト:T-Bills|iFinance

MakerDAOとT-Billsの関係

2022年2月、MakerDAOはT-Billsへの投資を宣言しました。
それ以来、MakerDAOは短期債を中心に20億ドルの投資を行ってきました。
特に、Monetalis ClydesdaleBlockTower Andromedaといった投資会社との連携がMakerDAOに大きな先行者利益をもたらしています。

トークン化されたT-Billsの拡大

トークン化されたT-Billsの提供は急速に拡大しており、資産負債管理をさらに進化させるための探求が必要です。
これには

  • 短期債の投資
  • オフチェーン構造を通じた取引

など、さまざまな方法が考えられます。

引用元:DefiLama

参考記事:https://coinmarketcap.com/community/articles/64fd0f3144b0af218dc20039/

トークン化T-Billsへの移行するメリット

トークン化されたT-Billsへの移行は、MakerDAOにとって以下のようなメリットをもたらします:

  • 高い透明性: オフチェーン取引は本質的に不透明であり、透明性の確保が難しい。しかし、トークン化されたT-Billsでは取引履歴がオンチェーン上で見れるため、透明性が担保されます。
  • シンプルな会計: オフチェーン投資は利益を手動で返す必要があるため、収益の計算に遅れが生じることがあります。しかしトークン化されたT-Billsでは、「トークン量」に「日次の価格フィード」を掛けるだけで計算できます。

トークン化T-Bills製品の実験

MakerDAOは、トークン化されたT-Billsの開発と実験のために最大100Mを割り当てることを検討しています。
この実験には

  • 法的および財務的な専門知識を提供するSteakhouse
  • 技術的な専門知識を提供するPhoenixLabs

など、さまざまなパートナーが関与しています。

参考記事:MakerDAO Contributors Want $100M To Go Into Tokenized T-Bills

まとめ

Real World Asset(RWA:実世界の資産)をブロックチェーンを使ってトークン化する動きが待ったなしですね。
暗号資産取引所や担保型のステーブルコインでは、裏付け資産に透明性があるのでユーザーの安心感につながります。

トークン化されたT-Billsは、デジタル資産の世界での新しい動向として注目を集めています。
MakerDAOはこの分野での投資と研究を積極的に進めており、今後の展開が楽しみです。

鈴木 康男記者/エンジニア

投稿者プロフィール

2021年にWeb3に関するテクノロジーの急伸に衝撃と強い興味関心を抱き、ブロックチェーンに関するエンジニアリングを独学で学ぶ。
コミュニティやハッカソンでのプロダクト開発や、Web3に関する発信活動も行う。

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