【即日レポート】ICP Meetup Japan / 分散クラウドWeb3の未来

  • 2023/8/12 19:59
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Internet Computer Protocol(ICP)について、皆さんはどれくらいご存知でしょうか?
今回、ICPの理解を深めるためにイベント「ICP Meetup Japan / 分散クラウドWeb3の未来」に参加しました。
この記事では、ICPに興味のある開発者・事業企画者に向け、イベントで各登壇者から語られたICPについての知見、ICPについて知識を得た記者の所感をお伝えします。

セッション1: 「分散型クラウドの新展開 ~web3開発インフラのピースとしてのInternet Computer〜」 – 登壇者: yasuoさん

yasuoさんは、KYC/KYBのデジタル証明書を発行する国の公募プロジェクトに携わる経験をもとに、Internet Computer(ICP)の魅力や可能性について詳しく語りました。特に、ICPがどのようにワールドコンピューターとして機能するのか、そのアプローチや技術的なスペックについて詳しく解説しました。
yasuo氏より登壇資料が公開されています。

セッション2: 「ICPでのWeb3.0体験(優れたUX)」 – 登壇者: hudeさん

hudeさんは、実際の画面でのデモを通し、ICPの特徴を中心にその実現方法や背後にある技術について詳しく解説しました。

セッション3: 「進化するWeb3基盤 〜従来型PaaSとInternet Computerを開発者目線で比較する〜」 – 登壇者: tokuryoo(​徳永 亮)さん

このセッションでは、従来のPaaSとICPの違いを中心に、どのようにICPがブロックチェーン技術として革新性があるかについて、述べられました。

tokuryoo氏より、ストレージの安さに関する補足が投稿されています。

セッション5: 「Ethereumインテグレーションの仕組みとロードマップについて」 – 登壇者: medy.nimさん

Ethereumとの連携や、DAppsのガバナンスについての現状と、ICPがどのようにこれを改善していくのかについての詳しい解説が行われました。
medy氏より登壇資料が公開されています。

https://twitter.com/dumblepytech1/status/1690246928720859137?s=20

セッション6: 「産学オープンイノベーション環境で行う、”ICP開発者コミュニティ” と “プロダクトPoC”」 – 登壇者: Sho T(高橋 翔)さん

C3Fがどのように開発者ドリブンで活動しているのかについての詳しい紹介が行われました。

セッション7: 「Web3.0開発に必要なモジュールの提供展開〜Reunion: 新時代のプロダクトマーケットプレイス〜」 – 登壇者: junkeiさん

ライブラリのマーケットプレイスであるReunionの紹介を中心にICPに関する開発の知見が共有されました。

セッション8: 「グラント獲得プロジェクトローンチ経験から見たIC開発の特長と利点」 – 登壇者: slothさん

日本人として唯一ICPのグラントを獲得した経験を元に、ノウハウの共有が行われました。
The DFINITY Foundation(ICPを運営する財団)からのグラントに挑戦する際には、先駆者として相談にのっていただけるとのことでした。

https://twitter.com/slothicp/status/1621105322483126277?s=20

セッション9: 「Kinic-100%オンチェーン検索エンジンの作り方」 – 登壇者: Wyatt Bennoさん

フロントエンドもオンチェーンに置くことの重要性や、DAppsの分散性の向上について詳しく述べられました。ゼロ知識証明を活用した仕組みに注力していることが強調されました。

記者の所感

このイベントを通じ、ICPについて分かったことは以下の3点です。

  1. ICPが他のブロックチェーンとは異なる目的を持っている。
    特に、フロントエンド側を分散されたICP上で動かし、DApps全体の分散を目指すというアプローチは、他のブロックチェーンでは見られないものです。
  2. AWSなどのPaaSのクラウドサービスを置き換えうる可能性がある。
    今現在の多くのDAppsはフロントエンドが分散していないため、クラウドサービスを提供するプラットフォーマーの影響から逃れられていません。この問題を解決しうる、PaaSレイヤーとしてのブロックチェーンという考え方には、とても存在意義を感じます。
  3. 他のブロックチェーンと競合するものではなく、共存する存在としての役割を果たしている。
    認証機能や、他のブロックチェーンとの連携機能を通じて、多様なブロックチェーンをICPから操作できる未来が見えました。

他のブロックチェーンと比べて、トークンの価格の上下や派手なイベントの開催などでの話題は少ないですが、公共性の高いインフラとしての役割を今後果たしていくことが確信できました。バブルに関わらず、数十年後も残っている可能性を強く感じます。

鈴木 康男記者/エンジニア

投稿者プロフィール

2021年にWeb3に関するテクノロジーの急伸に衝撃と強い興味関心を抱き、ブロックチェーンに関するエンジニアリングを独学で学ぶ。
コミュニティやハッカソンでのプロダクト開発や、Web3に関する発信活動も行う。

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