KEKKAI CryptoSec Conference イベントレポート

国内外問わず多くのWen3の専⾨家たちが「TEAMZ WEB3 SUMMIT」をきっかけに⽇本に集まるタイミングで、ふたたびWeb3セキュリティをテーマとしたイベント「KEKKAI Cryptosec Conference」を開催しました。

音声中継がTwitterスペースで残されていますが、ほとんどのトークセッションが英語で行われたため、この記事では話された内容を和訳しつつ紹介していきます。
Twitterスペース:https://twitter.com/i/spaces/1vAxRAqnRkDJl?s=20

イベント概要:
Web3セキュリティがテーマのトークイベント【KEKKAI Cryptosec Conference】が5/20にMicrosoft本社ビルで開催決定!!

KEKKAIの紹介

登壇者:KEKKAI Danny 
KEKKAI公式ページ:https://kekkai.io/

Web3の世界では、ブロックチェーン上でオープンになっているため、スマートコントラクトを信頼するよう人々に勧めることが多いです。しかし、90%以上のユーザーがコードを読むことができず、ブロックチェーンのコアな部分を理解することができないと考えられています。

多くのユーザーにとって理解するのは本当に難しいです。私自身も一度盗まれたとことがあります。
昨年、私は署名詐欺によってNFTは盗まれ、本当に大変でした。

皆さんのほとんどが、Moonbirdの創設者であるKevin Roseを知っていると思います。
今年1月、彼はフィッシング詐欺によって1.1 万ドル相当の NFT を失いました。

私たちは解決策として KEKKAIを開発しました。まず、どのように機能するのか紹介します。
ブラウザの拡張機能としてインストールすると、MetaMaskが出る前にポップアップが表示されます。

トランザクションシミュレーションを表示し、失われるNFTの量、その時に獲得するETHの量、同時に直面しているリスクの種類を表示します。

どのような技術を使っている説明します。
第一に、アクセスするサイトのURLとブラックリスト比較を行います。Go Plusなどの優れたセキュリティ企業とも協力し、これまでに収集したブラックリストとURLとアドレスを比較します。

第二に、トランザクションのシミュレーションを行います。
あなたの資産の一部、またはすべてを失うかどうかのリスクを検知します。
「Etherサイン」などの詐欺署名が多いです。

第三に、スマートコントラクトのスキャンを実行し、ハニーポット、バーンリスク、およびメンテナンスリスクに該当するかどうかを調べます。

現在、ブラウザ拡張機能としてChrome、 Firefox、 Edge向けにリリースされています。
Safariの拡張機能も通過し、iOSおよびAndroidアプリケーションを来月リリースする予定です。
私たちは現在ブロックチェーンのセキュリティをサポートしています。

私たちのビジョンは、仮想世界をより安全にすることです。そして、私たちがしたいことは、Web3世界のすべてのユーザーの利益を守ることです。

日本人ユーザーの内、Web3サービスを利用する際にスマートフォンを使う割合が89%という調査結果があります。これにも対応する必要があります。

ここまで、私たちのカスタマー向け製品と2つのサービスを紹介しましたが、他に二つサービスを展開しています。 「KEKKAI SDK」および「KEKKAI API」と呼ばれ、主にウォレットに対して、APIサービスを提供しています。
ユーザーのセキュリティを向上させるために、トランザクションシミュレーションとリスク検出機能を追加することができます。

KEKKAIプラグインとKEKKAIアプリの他に、セキュリティダッシュボードも来月リリースする予定です。
私たちの製品は、最近では300万回以上ユーザーをリスクから保護しています。
そしてCoolBitのウォレットと連携としており、私たちの製品が使われています。ここにいる中でも使っている人はいるのではないでしょうか。

私たちはユーザーやNFTプロジェクトのファウンダーから非常に良いフィードバックをもらっています。
私たちは製品を皆さんのニーズに合わせたいと思っています。迅速にユーザーのフィードバックを収集し、ユーザーが求めるあらゆるニーズを一週間くらいの短いスパンで素早くの機能をリリースする必要があります。

日本市場のいくつかの特徴があり、企業やユーザーが、セキュリティサービスのために大きな対価を支払っていることが観測されています。また、この分野で日本市場は大きくなっています。最近、政府はこの流れを後押ししていて、大企業は独自のポリシーサービスやブロックチェーンサービスも作っています。

すべてのことが、日本市場が将来的に非常に大きくなることを示しています。今こそ質の高いユーザーを獲得するチャンスです。日本のユーザーは、セキュリティへの関心度、支払い能力、および継続率の点から、本当に質が高いです。そして、最も重要な部分は、クリプトを推進する政策です。

最後に私自身の紹介ですが、私は6年以上起業家をしており、高校2年生の時に最初の会社を立ち上げました。今は私の3番目の会社で、いくつかのプロジェクトのプロダクトマネジメントに焦点を当てています。
大学はボストン大学に通い、TikTok運営会社のバイトダンスで数ヶ月間働いていました。

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Astar Foundationの紹介

登壇者:Astar Foundation 佃 龍暁
Astar Network公式ページ:https://astar.network/

AstarっはWeb3の未来を目指して開発されたマルチチェーン対応のスマートコントラクト・プラットフォームです。

私たちが提供するハイライトの1つは、dAppsステーキングと呼ばれるもので、私たちはこれを「Build to earn」と呼んでいます。
これは、開発者にとって非常に革新的で、新しい方法でインセンティブを集めることができるようになります。私たちは、開発者による、開発者のためのブロックチェーンであることを強調したいのです。
現在、ASTAR Networkには様々なプロジェクトがあり、その多くはDeFiプロトコルですが、同時にこれは最大の分散型取引所の1つでもあります。

DeFiだけではありません。ゲームやNFTに関連するプロジェクトやプロトコルも数多くあります。日本だけでなく、世界の様々な地域から多くのプロジェクトが集まっており、日本や海外の投資家から支援を受けています。

ここでもう少しブロックチェーンの技術的な話に踏み込んでみたいと思います。
注目していただきたいのが、EVM (Ethereumの仮想マシン)環境だけでなく、Wasm(WebAssembly)の仮想マシンにも対応しているという機能性です。そのため、開発者の好みに応じて分散型アプリケーションを構築することができます。

Web2の世界で構築していた開発者が、Web3の世界に飛び込もうとすると、常に参入障壁がありました。
しかし、それを解決するために、さまざまな種類の開発環境を提供するようにしました。
まずはdAppsのステーキングについて。その仕組みについて、ちょっとだけ深掘りしてみます。

イーサリアムのようなメジャーなL1の上に構築しようとしたとき、問題は非常に高いガス料金です。
多くの開発者は、ブロックチェーン上で何かを作ろうとするたびに、たくさんのお金を払わなければならない。
エコシステムやコミュニティのために作っているはずなのに、作るためだけにかなりの金額を支払っている点が現実社会とは大きく異なります。

仕組みとして、AstarブロックチェーンはPoSを採用しているため、さまざまな種類のdAPPsにステークできます。ステークを通じてインセンティブや報酬を得るのはステークした人だけでなく、実は開発者もステーク報酬の一部を受け取ることができるのです。

さて、ここで互換性の話、開発環境の制限の話に戻りたいと思います。
今は共通規格がなく、マルチチェーンの相互運用性が不足しています。
AstarではEVMとWebAssemblyの開発環境を提供するだけではなく、この2つをつなぐ機能があり、プロジェクトの規模を拡大するのに役立っています。
そのうえで、開発者は目的に応じてどんな環境で作るかを選択できる。
この機能をクロスバーチャルマシン(XVM)と呼んでいます。
これにより、EVM環境とWebAssembly環境のスマートコントラクト機能をシームレスに融合させることができるのです。これにより、信頼性の高い方法で、異なる環境間で資産の移転や通信の促進を行うことができます。

相互運用性によって実現される様々な利点があります。
スケーラビリティの向上もそのひとつです。それだけでなく、コラボレーションやイノベーションのためのスペースが増え、開発者に優しい環境を作ることができるようになるのです。

ASTAR Networkの技術的な機能や特徴として、もう一つ強調したいのは、レイヤー1のブロックチェーンとしては3番目にPolkadot(ポルカドット)に接続されたことです。
Polkadotは、複数のブロックチェーンを自分たちのメインネットワークに接続し、同じセキュリティを共有することで、異なる変化間のトラストレスなコミュニケーションを可能にします。
より相互運用性の高いWeb3の世界を実現することをミッションに作られたのが、Polkadotです。

AstarネットワークはPolkadotに接続されたブロックチェーンなので、セキュリティを確保するためにPolkadotのオプションが必要です。例えば、他のレイヤー1ブロックチェーンがASTARネットワークを経由してPolkadotに接続された他のプロジェクトやブロックチェーンを使いたいと思ったとき、ASTARトークンで支払うこともできます。

このクロスチェーンメッセージングも、私たちが推進したい大きな特徴のひとつです。これは、Polkadotのエコシステム全体が成長していく中で、私たちにとって強い武器になると信じています。

私たちは日本でかなり活発に活動してきましたが、さらに活発に活動していきたいと考えています。
主な例としては、Astarとソニーネットワークコミュニケーションズのコラボレーションが挙げられます。


今年3月にWeb3インキュベーションプログラムを開始したわけですが、ソニーSMCとAstarの双方から、開発者向けのメンタリング、またビジネス目的の応募が200件を超えています。
その中から19のエキサイティングで素晴らしいプロジェクトを選び、今後1〜2ヶ月の間に開催されるデモデイで発表してもらう予定です。

今年の初めには、トヨタと博報堂Key3とともにWeb3ハッカソンを実施しました。


合計で400件以上の応募があり、すべてのプロジェクトは、Astarネットワークで構築されています。
ハッカソンのゴールは、トヨタのような超老舗企業のワークフローや業務の効率化を実現するDAO分散型自律組織を支援するアイデアを出すことでした。
最終的に8名の当選者が決まり、その中にはポルカドット、Web3 foundationからの賞品も含まれています。そして、受賞者の発表は、Astarネットワーク上に構築されたCosmizeというメタバースで行われました。

また、最近、カルビーさんと一緒に、とてもエキサイティングな活用事例がありました。
カルビーさんの商品は、日本中のコンビニエンスストアで好きなフレーバーを買うことができます。
買って、食べた後の袋を指示通りに折って、用意したアプリでスキャンすると、AstarネットワークでNFTをミントすることができるんです。

カルビーとして、NFTを全部ミントするために5種類のチップを買うような、熱狂的なユーザーを追跡することができます。顧客情報をより深く知ることができるようになったのです。

今期は多くのビジョンを掲げていますが、持続可能なものにするために、トークノミクスを再考したいと思います。
私たちはアップデートを重ね、多くのイノベーション、新機能を搭載してきましたので、それを推し進め、特に日本国内では、多くのエキサイティングなことが起こることでしょう。

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ChainUPの紹介

登壇者:ChainUP Shizuka Wu
ChainUP公式サイト:https://www.chainup.com/ja

Chain upは、日本とWeb3の世界への技術的な架け橋になる。それが私たちの考えです。
そのため、私たちはWeb3プロジェクトのすべてに新しい技術を提供し、Web3プロジェクトの基盤・インフラを担っているのです。

まずお話ししたいのは、数字の話、インパクトの話です。

私たちは2017年にスタートしたのですが、5つのオフィスに200人以上のスタッフがいます。中国には200人のエンジニアがいますし、シンガポールにも60人のメンバーがいます。
本社はシンガポールにあり、450以上の暗号取引所を構築し、1000以上のクライアントにサービスを提供しています。その中には、DBS銀行やBEOSING、Huaweiなど、皆さんもよくご存知のクライアントもあり、世界中で6000万人のエンドユーザーが当社のアプリケーションを利用しています。
また、1年間の累積取引量は約4,720億強です。このように、私たちの製品は、先ほど申し上げたように、Web3の領域でお客様が必要とする技術をすべて提供しています。

まず、分散型のデジタル資産取引システムについて紹介します。

  • ユーザーの要望に合わせて構築され、地域ごとにカスタマイズされ、優れたユーザー体験を提供します
  • あらゆる取引に対応するワンストップソリューション
  • 世界の450以上のグローバルな暗号通貨取引所で選ばれています
  • 24時間365日、カスタマーサポートを受けることができます

今日はセキュリティカンファレンスなので、もちろんセキュリティ機能は常に最重要視しています。後ほど、私たちのセキュリティの部分にスポットを当てます。
NFT取引プラットフォームや、ウォレットなど、Web3の世界に足を踏み入れたいときに必要なさまざまなプロダクトがあるため、数ヶ月以内にお客様の疑問を解消し、ソリューションを提供することができます。

ウォレットについては、カスタマイズ可能で且つシンプルなルールで、Web3の世界の外にいる人たちがWeb3に迅速かつ容易にアクセスできます。

  • デジタルウォレットソリューションを中核としたエコシステムを構築するための包括的なサービス
  • 基礎がない状態でも、カスタマイズされたウォレットシステムを迅速に構築することが可能
  • 安全で信頼性の高い

さて、ここからは2つのセキュリティ製品にスポットを当てます。
ひとつはMPC(マルチパーティー演算)ウォレット

  • ユーザーが秘密鍵を自己管理できる最も安全なウォレット
  • 単一障害点や追加のデプロイがなく、取引手数料や運用上の障害も少ない。

もうひとつは、ChainEyesです。

  • ビッグデータとAIを活用した暗号資産セキュリティ
  • 4つのチェーンで使用可能(Bitcoin、Ethereum、TRON、BNB Chain Mainnet)
  • これまで14億以上のアドレス、600万以上の契約、90億以上のトランザクションのリスクを回避

Web2の世界からWeb3の世界に変えていきたいと考えており、Web2の顧客に最適なWeb3技術をもたらすことができる人が勝者になれると信じています。
Web3プロジェクトを立ち上げようとする場合、GameFi、DeFi、SocialFiなど、どんな分野か関係なく、テクノロジーソリューションが必要だと考えています。私たちはそのソリューションを提供します。

私たちの優位性は、

  • ワンストップソリューション
  • 実績のある開発者である
  • 高度なセキュリティとコンプライアンス
  • 高い相互運用性
  • 世界中のどの国であっても、私たちのカスタムサポートにいつでもアクセスできます

また、ChainUPは世界的なリーダーからなる強力なチームによって率いられています。

政府側からは特別顧問のGoh Chok Tongがいます。
彼は1990年代から2004年にかけてシンガポールの第2代首相を務めた人物です。

銀行側からは、OCBC銀行(シンガポール銀行)の会長で、2014年にはBank Negaraの特別顧問を務められたOoi Sang Kuangです。

技術面では、当社のCEOであるSailor Zhongが2013年からブロックチェーン業界のスペシャリストであり、中国最大のテクノロジー企業であるバイドゥや中国移動通信でリーダー的役割を担っています。

規制面では、シンガポール通貨庁の35年以上にわたり執行役員を務めたOng Chong Teeをお迎えしています。

コンサルティングの面では、シンガポールのマッキンゼーのシニア・パートナー、Jean-Marc Poullet。

投資面では、現在A.P.社の非業務執行取締役を務め、Moller Capitalのセキュリティ・ディレクター、またCarlyle Groupのマネージング・ディレクターを務めていたDavid Tungです。

最後に、自己紹介をするのを忘れていました。私はChainUP日本支社の代表を務めているSizuka Wu(シズカ・ウー)と申します。東京大学大学院の博士課程に在籍しています。
今日は皆さんにお会いできてとても嬉しく思います。

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パネルディスカッション1

登壇者:DELOITE Jack/ANIMOCA BRANDS Motoki/ASTAR NETWORK Mikoto/MICROSOFT Yuhong
デロイト トーマツ コンサルティング公式サイト:https://www2.deloitte.com/jp/ja.html
Animoca Brands公式サイト:https://www.animocabrands.com/
Startale Labs公式サイト:https://startale.org/ja/
Microsoft for tartups公式サイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/startups

ジャック:皆さん初めましてモデレーターを担当するデロイトのジャックです。

本日はWeb3の大手企業とスタートアップの連携というテーマで話をさせていただきたいと思います。それではスピーカーの皆さんの自己紹介からお願いできればと思います。

谷:有本のAnimoca Brandsの共同創業者であります谷元樹です。よろしくお願いいたします。

簡単な自己紹介ということですので、私はアメリカ育ちなんですけども、プライスウォーターハウスのコンサル担当から金融に入ってですね、JPモルガン、トレーディングヘッドをやった後、その後ずっとファンドの方にいました。2年前までMillenniumで日本の投資の担当をやっておりました。
その中でですね、Animoca Brandsそしてそのポートフォリオカンパニーたまたま、個人的に投資をしておりまして、そこから創業者のYatとの出会いが始まり、日本でもWeb3がそろそろ本格的に始まりそうだからAnimocaとしても進出したらどう、という話をしたらですね、じゃあやってよということで、2年前この世界に入ってまいりました。Animoca Brands全体としてはですね、今430社ほど世界的に投資をしてエコシステムを作っている会社でございます。

日本においてはですね、出版社さんと、集英社さんまたは三菱UFJ銀行さん、住友信託さん等に出資を受けてですね、日本でもエコシステムを作っております。
日本でやっていることと、世界でやっていることは微妙に違いますけれども、とにかく日本はコンテンツが非常に多いということで、日本ではそっち寄りの仕事が多いんですけれども、コンテンツIP側それから、いわゆるアプリケーションレイヤー側、そしてインフラレイヤーの三つに大きく分けて投資をしてしてグローバルのネットワーク、エコシステムを作っております。
今日はよろしくお願いします。

ジャック:ありがとうございました。続きまして海老島さん、お願いします。

海老島:はい。海老島と申します。今私はAstar Network JapanのCEOをやっています。

私は元々ここ(マイクロソフト)で働いていたんですけれども、PMをずっとやっておりまして、クリプトは2016年の年末ぐらいからずっと触っていて投資家として参加していて、マイクロソフトに入社した後に3年半前ぐらいに渡辺創太がStake Technologiesを起業したタイミングでお会いしましてそこからずっとマイクロソフトとしてAstar Networkを支援させていただく中で、日本にも現地法人を立ち上げるというところで、私がジョインさせていただくこととなりました。

Startale Labsは何かっていうところなんですけども、特にAstar Networkを使って何かしたいっていうか企業のお客様に対してサポートであったりとか、そういう提供したりするような会社となっております。Startale Labsも、いろいろ事業として展開するので、もしご興味がある方がいらっしゃいましたらお声がけいただければと思います。

ジャック:どうぞよろしくお願いします。続きましたら陳さんお願いします。

陳:Microsoft for Startups日本のプログラム担当者の陳宇鴻(チン・ウコウ)と申します。

よろしくお願いします。今回マイクロソフトではですね、スタートアップの支援の枠組みという形で、このKEKKAIさんであったりとか、それからStartale Labsさんであったりとか、Web3スタートアップの支援をさせていただいておりまして、その流れで今回はKEKKAIのマーティングをお手伝いをさせていただきたいと思って、この度のカンファレンスもサポートさせていただきました。Microsoftの参加プログラムはWeb3に限らず、様々な領域のスタートアップをクラウドを通じて支援しております。

そこに興味がある方、いつでも声かけてくだされば、お話しさせていただきたいと思います。本日はどうぞよろしくお願いします。

ジャック:改めてデロイトのジャックです。最初は中国で弁護士として働いて、基本M&Aなどの仕事をやってました。その後にブロックチェーンの法規規制とか、当時のICOとか、スマートコントラクトの法的性質から整理し始めて、そこから業界に興味を持って、その後SBIに行って、最初はトレーディングとかFXとか、そういうことをやってその後はもうちょこちょこPRの仕事をやってました。
その後はいろんな業界でいろんなプロジェクトをやりたいので、コンサルティングのデロイトでWeb3とブロックチェーンのコンサルをやっております。本日よろしくお願いします。

ジャック:早速ですが、皆さんの会社ではのようなWeb3関連の事業を進めているのか、お話いただけますでしょうか?陳さんからよろしくお願いします。

陳:ありがとうございます。マイクロソフトとしてお話をさせていただきますと、先ほど申し上げたようにスタートアップのプログラムを通じて、今マイクロソフトは様々なスタートアップ、Web3スタートアップを支援しております。
強みとしている部分としては、やっぱりWeb3のプロダクトを作る上で、インフラの設計ですね。どういうふうに負荷分散の高いアーキテクチャを一緒に作ったりであったりとか、もしくはdAppsでしたら、その消費者が今後1万とか2万3万ぐらいになってたときに、そこに耐えうるようなそのアーキテクチャを作るには如何したらいいのか。様々な形で皆さんのプロダクトをブラッシュアップして、そのプロダクトが他に対してちゃんと差別化できるようなものを作っていくところを支援させていただいておりました。

先ほどちょっと、海老島さんが言ってたように2年前にマイクロソフトにいてくださってて、そこでStake Technologyの支援とか、実は自分の同僚として、むしろ自分よりも早い段階でやってたんですけど、そのときから蓄積されてきた知見というのがマイクロソフトにございまして、Web3のプロダクトの基本的なストラクチャだったら基本的にはもう見たことがある、わかってるっていう状態でして。

もっと初期ですと、ビットフライヤーさんとかも実は自分たちのプログラムを通じて成長いただいてたので、かなりWeb3的なプロダクト、あとWeb2.5的なプロダクトだったら、一通り経験があるという状態です。

Decentralized identity|Microsoft

今後はWeb3のサポートもやっていきますし、同時にマイクロソフト社内ではそのDID(分散型のID)っていうプロダクトも現在評価しておりますので、DIDをベースに、よりいろんなスタートアップを支援していきたいと思っております。

ジャック:ありがとうございますつきましては海老島さん、お願いします。

海老島:私はAstar NetworkとStartaleを両方の立場があるのでザックリと。
スマートコントラクトプラットフォームですので、全ての皆様に開かれているものとして認識をしております。この中でもしかしたら利用されている方がいらっしゃるかもしれないですし、それこそJR九州さんの事例であったりとか、日本の大企業の皆様と新規事業をやっているプロトコルになります。

Startaleに関しては実際にどう構築すればいいのかわからない場合とか、より技術的サポートをしています。Astar Networkはインフラストラクチャーなので、インフラストラクチャを活動してどういうアプリケーションを作っていくのかとか、企業のアセットを組み合わせてビジネスを構築していくとか、一個のdAppsを作って終わりという時代は終わったので、その中からユースケースを作るために起業の皆様と一緒にコンサルティングであったりとか、開発を上流から下流までサポートするような体制ですので、どのような形でエッジを利かせるのかというところに、サポートさせていただいている企業となります。
トヨタさんだったりとか、ソニーさんだったりとか、日本の名だたる企業さんと一緒にビジネスを展開させていただいております。特に国内でチェーン選定だったりで困っている方はStartale Labsに相談していただいて、もしビジネスを構築していける、模索していけるかな、と考えております。

ジャック:ありがとうございます。続きましては谷さん、お願いします。

谷:Animoca Brandsがあまりにいろんなことをやりすぎてて、どう説明したらいいかわからないぐらいなんですよ。(笑)元々弊社はサンドボックスのオーナーです。

メタバースもかなりアーリーステージから入って、それからAxie Infinity、NTF Top ShotをやっていたDapperなんかも共同創業をやったり、ものすごい昔からこの(Web3の)世界いるんですけれども、基本的にやはり会社としてのミッションっていうのは、デジタルプロパティライツ(所有権)を取り戻そう、きちんとみんなで保有していこう。
そのデジタルプロパティライツの中には、我々個人が持っているデータも含まれるというふうに私も会社としても考えております。という中でですね、投資の話も出たんですけども、アクセラレーター・プログラムを世界的にやっております。毎年1000社以上の応募があります。

それからあらゆる投資ファンド等も持っておりますけれども、日本において言いますと、ビジネスっていうところで言うと先ほど言ったIPでやるビジネス、そこがコンテンツのところになります。それからゲーム会社の、我々はユーティリティレイヤーと呼んでおりますけども、また活動を含めたところ、それからインフラのところをやります。そういったことを三菱UFJ銀行さんとかと組んでやっています。

それから我々は全てのチェーンを支援します。そうところの中でこの世界をどんどん広げていこうという基本的な考えがあります。
あくまでもデジタルプロパティライツということですので、IP側またはそのコンテンツ側またはAP側がプラットフォームになっていくというのが我々の考えです。
文化、それからIPを一番保有してる日本がこれから中心になってくるだろうと考えて、支援と言いますか、いろんな形でそこを投資をしていろいろ支えていきたいと思っております。

私の方もですね、創業時のAnimoca Brands ジャパンの代表だったんですけども、今は代表を譲ってファンドの立ち上げをやっております。ジャックさんもいろいろ一緒にやることになっておりますけれども、日本においてもですね、ファンドの一部をアクセラレーターで回して、スタートアップ支援をやってまいります。
またはインバウンド、グローバリゼーションを結構始めておりますけれども、今のローカリゼーションからアウトバウンド、我々の世界のネットワークを使って外に渡していく、両方の仕事をやっています。

ジャック:はい、ありがとうございます。続きましては今後の展望について伺いたいと思います。
皆様はWeb3業界を発展させるために、どのような事業を進んでいくのが望ましいと考えていますか?
あとはWeb3業界における日本の大手企業とスタートアップが、どう連携していくかについてはお伺いできればと思います。最初は陳さんよろしくお願いします。

陳:ありがとうございます。まずマイクロソフトとして特に最近ですと大体100以上のWeb3のスタートアップの支援させていただいてまして、そうした中でプロダクトのバリエーションって本当に様々なんです。
直近すごく何か勢いのあるプロダクトであったりとか、あとユースケースを挙げたときにその特徴として、Web3と技術を使っていること、それをあまり感じさせないようなプロダクトが今年は徐々に出始めているというのが自分の感触としてございます。
去年でありますと、NFTだとか、Defiだ、とかそういったバリューで、どちらかと言うとクリプトネイティブに近いユーザーさんがたくさん集まってきて、消費行動が起こっていたと思うんですけれども。今年はどちらかというと、あんまりNFTを使ってるとか、ブロックチェーン技術を使ってるっていうことを感じさせずにプロダクトをリリースして、それでユーザーを獲得するケースというのが、スタートアップでも、そしてエンタープライズも双方で増えているというのが自分の感じているところです。
なので、そこが今年の一つプロダクトの特徴として表れているかなと思いますし、ちゃんとこういったプロダクトのリリースの仕方が出てくると、これまではクリプトネイティブだったユーザーだけが利用していたブロックチェーン関連のプロダクトに対して、クリプトネイティブではない、いわゆるマスの方々というのが、やっとこのクリプトやブロックチェーンの技術を使ったプロダクトと繋がって、それによって本当の意味でマーケットサイズが大きくなっていってるのかな、というのが自分が感じていることです。

ジャック:ありがとうございます。続きましては海老島さんお願いします。

海老島:言いたいことをだいぶ言われてしまったんですけれども、やはりインフラレイヤーとしても、Web3だったりとかブロックチェーンだったり、特定のトピックがあると思うんですけれども、Web3の外に目を向けると、まだまだアレルギー反応があるなと思っていまして、やはりまだそういったところを感じさせない、どれだけWeb2とWeb3を境目をシームレスにするのかというのが、まずすごく大切かな、と思ってます。でも事業を具体的にっていうのは中々難しいと思っていて。それこそ明日もしかしたら物凄いキラーアプリケーションが出てくるかもしれないし、やはりどれだけそのアプリケーションレイヤーでどれだけWeb3っていうのを感じさせずに今までのUIを担保しながら、ビジネスを展開していくのが鍵になるかな、というふうには思います。
大企業と連携するためには、っていうところですけれども、色々な企業様からお問い合わせをいただいていて、非常に多くの大企業さんとお取引させていただいている中で、やはり大企業の皆様も本格的にアクセルを踏み切れていないというか、まだまだ様子を見ている企業さんが多いかなというふうには思っています。
いくつかその中でも、本当にWeb3をやりたいと思って熱意を持ってる担当者の方々とか、Web3を使って一緒にビジネスがしたいっていう企業の皆様がいらっしゃいますが、そういった方々とお付き合いさせていただいています。
あと一般的に大企業皆さんも、正直な所予算がかからないでいかに回せるのかっていうところがものすごく問われていると思っていて、ワンショット数千万円、数億円のPOCは減ってきています。1プロジェクトごとの単価が下がってきているなというのは肌感覚として感じているところです。
NFTを出すだけじゃなくて、そこから一捻り加えて素早くPOCを回しながら、長期的に企業のゴールに寄り添っていけるようなスタンスを取れる企業さんであったり、プロジェクトではマーケットにフィットとしていくのではないかな、というふうには考えております。

ジャック:おはようございます。つきましては谷さんお願いします。

谷:時代の変化って、大体金融とテクノロジーが変わったときと思ってるんです。アメリカの強さが何かっていうと、ウォールストリートがあって、シリコンバレーがあって、ハリウッドがあるんですよ。
だから、ソフトパワーもあるし、テクノロジーパワーもあります。今の時代、そして今は僕は90年代から金融やってますけれども、デリバティブというものがあって、規制がないときにLTCLショックがあって、規制があってデリバティブも大きくなってまたはリーマンショックのときにビットコインが大きく来て、今回コロナでESPが大きく発展してる。
これは偶然じゃないんですね。なぜかっていうと、景気が利上げサイクルがあって、景気が良いときは皆それに乗っかれば良いだけで、どんどん乗るだけで何も変わろうとしないんですよね。でも景気が悪くなると、当然首切られたり、稼げなくなったりして、何か変わらなきゃいけないと。
そのときって、企業としては一番できない人間の首を切ろうとするんだけども、一番優秀な人は関係がないですよね。それを金融サイドから見ていて、リーマンショックのとき、また今回のコロナで、大きくやりました。
その後、1年半、2年前ぐらいからですか、初めてGoogleやFacebookが人員削減、初めてWeb2の大企業が首を切り始めた。その動きっていうのが、一番優秀な人たちのデベロッパーが、辞めて起業したのがちょうど1年半ぐらい前のことですね。
もちろんもっと前からやってる方々いっぱいいるけれども、そのときに本当にもうWeb2終わった、Web3だっつって、シリコンバレーのトップデベロッパーを辞めて、起業したのがそれくらいで、ちょうどプロダクトが出来上がってきたっていうのが今年入ってからですね。
いけるぞという時にいろんな事件があったんですけれど、その二つのがなければもうこれだ、ていうプロダクトがもう出てきてるんじゃないかなっていうぐらい、この半年間から1年っていうのはものすごい大きく変わってると思います。

我々も430社ぐらいあっていろいろやっている中で新しいテクノロジーをどう推してしていくかとか、正直な話をこれもうこっちに行かないといけないんじゃないのとか、日々いろいろありながらやってますけれども、そういう意味でインフラレイヤーのところが特になんですけれども、日本として、またはこれから起業する人たちが、その状況がわかった上で、そこからdAppsイヤーなのか、またはNFTプロジェクトがやるようなコンテンツレイヤーなのか、どういうものをやろうかっていうことは、考えなきゃいけないのが一つと、もう一つはやはりAIですね。我々としてものすごく大きくAIシフトしてます。
AIをどう使っていくかっていうのがやはりこれからの勝負なのかなというふうに思っています。

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パネルディスカッション2

登壇者:KEKKAI Danny/BEOSIN Alvin/WEBACY Maika Isogawa/ChainUP Sizuka Wu
BEOSIN公式サイト:https://beosin.com
WEBACY公式サイト:https://www.webacy.com/

Danny:まずは皆さんに簡単に自己紹介をさせていただきます。何をしている人なのか? どんな経歴の持ち主なのか?まずはSizukaからどうぞ。

Sizuka:私は中国で経済学を専攻し、その後シンガポールに移り、公共政策の修士課程を開始しました。そして2年目には、東京大学で博士課程を取得する機会を得ました。実際に10年間、大学で勉強しました。
博士課程では、国連機関やアジア開発機構でデータ分析や戦略を担当していました。非常に公的な立場からビジネス的な立場へと変化していったのです。
なぜChainUPを選んだかというと、Web3は新しい世界であり、すぐに入っていきやすかったからです。だから、ChainUPのチームの一員になれたことをとても嬉しく思っています。ChainUPは、世界的なブロックチェーン技術のソリューションプロバイダーであり、本社はシンガポールにあります。
私は日本のカントリーマネージャーを務めています。私たちは、NFTプラットフォーム、デジタル資産取引所、セキュリティ製品、マイニング、カストディ、そして投資など、ブロックチェーン製品の非常に包括的なソリューションを提供しています。
世界のデジタル資産取引システムの20%以上は、ChainUPが提供した技術によって成り立っています。そして日本にもこのビジネスを展開しています。もしブロックチェーン技術を使おうとしているプロジェクトがあれば、ぜひ私に声をかけてください。

Danny:ありがとうございます。Maikaさんはどうですか?

Maika:皆さんこんにちは。Maikaと申します。私は2021年にWEBACYという会社を立ち上げました。私がマイクロソフトを辞めたのは1年半ほど前で、私はパンデミックの時にマイクロソフトで働いていましたから、マイクロソフトのオフィスに来るのは初めてです。だから、ちょっと不思議な感じです。
私のクリプトの旅は2014年に始まりました。私は以前、シルク・ドゥ・ソレイユのアクロバットをやっていたのですが、実は今「アレグリア」という公演が行われているんですよ。お時間があればぜひ見に行ってみてください。
クリプトについて学び、その後スタンフォードに行きコンピューターサイエンスを学び、マイクロソフトでサイバーセキュリティエンジニアとして政府と仕事をしていたのですが、2021年にWEBACYを立ち上げました。
WEBACYについて、私たちはセルフカストディのセキュリティレベルからUXを向上させる会社です。
クリプトの世界では、自分の資産を管理する方法が2つあります。取引所などで誰かが鍵を預かるカストディ(管理)と、自分で管理する「セルフカストディ」です。そして、Web3とクリプトの美点の1つは、私たち自身のユーザー・アイデンティティのあり方を変えることができることだと考えています。
それが今はウォレットなんですよ。そうすると、自分で鍵を握っていることになります。それで、WEBACYでやっていることは、知識を向上させるための様々なツールを作ることです。もし、あなたのウォレットから資産が出ていったなら、それがあなたのウォレットから出ていったことを知りたいと思いますよね。
そこで、オンチェーン・モニタリング・システムを作りました。リスク分析評価システムも作りました。また、資産を失った場合のバックアップや、オンチェーンでの相続のプロトコルなどを行うためのツールも作りました。

Danny:とても興味深いですね。将来的に何かコラボレーションができることを期待しています。次はAvlinさん、どうぞ。

Alvin:Alvinです。香港出身のビジネス開発者です。もともとWeb2業界でビジネス開発をしていましたが、2年前にWeb3業界に転向し、日本、台湾、香港を含む東アジア市場に対応するビジネス開発責任者としてBEOSINに入社しました。
BEOSINは、さまざまなスペックのニーズに対応するワンストップソリューションを提供するWeb3セキュリティ企業です。「ブロックチェーンエコシステムの保護」をミッションに掲げ、スマートコントラクト監査、リスクモニタリング&アラート、KYT/AML、オンチェーンデータ追跡を含む「オールインワン」ブロックチェーンセキュリティソリューションを提供しています。
この場で皆さんに私たちの洞察をお伝えできることを嬉しく思いますし、日本でのこの非常に有望なプロジェクトに参加できることを大変嬉しく思います。

Danny:ありがとうございます。私はKEKKAIのダニーです。北京出身で、もともとは中国から来たのですが、5年前に大学進学のために日本に来て、今は早稲田大学で勉強しています。
7年前に自分の会社を立ち上げ、これまで多くのプロジェクトを行ってきました。そして、VCからの資金調達を開始し、今年の1月には、スカイベンチャーという日本のVCから1ヶ月で40万ドルを集めました。
これまでKEKKAIプラグインというオンチェーン詐欺対策プラグインを開発し、フィッシング攻撃やオンチェーンフィッシング事故からユーザーの資産を守る手助けをしてきました。今後、3ヶ月以内にいくつかの製品をリリースする予定です。それでは、2番目のディスカッションに移りましょう。

話題は2つほど用意したのですが、皆さんの回答に応じてさらに質問をさせていただきます。では、始めましょう。Web3の世界における主要なセキュリティの脅威は何だと思いますか?また、ユーザーはどのようにしてそれを防ぎ、保護し、販売することができますか? また、あなたの会社ではどのように対処していますか?

Alvin:一般ユーザー向けの戦略スペースでは、非常に大きな計画が2つあると思います。フィッシング攻撃は、Web3のスペースでは非常に一般的だと思います。
また、フィッシング攻撃とは、偽のウェブサイトを作成したり、知り合いになりすまして、機密情報や秘密鍵を入手するためにメッセージを送ることです。このような攻撃を防ぐには、Web3の世界を探索する際に、良い習慣を身につけることが一番だと思います。
そして2つ目は、Web3プロジェクトのスマートコントラクトです。スマートコントラクトは普通のプログラムと同じで、バグがあったりするものだと思います。で最善の方法は、スマートコントラクトの悪さをすべて叩き出すプロの監査法人を見つけることだと考えています。私たちは5年以上にわたって、3000以上のスマートコントラクト監査を提供してきました。私たちはまた、先ほど申し上げたように、ヘッジファンドと提携し、日本のWeb3市場をより安全でコンパクトなものにするための支援も行っています。

Maika:私は、人がどんなシステムでも最大の弱点だと思います。ですから、人間に関して言えば、セキュリティの最大の脅威は、知識不足と怠慢でしょう。知識不足とは、それが何なのか知らない、どう使えばいいのか知らない、といったものです。
そして、怠惰では、シンプルであることを望む一方、ハックできないものへと資産を移動させる必要があります。Web2は成熟しいて、多くのもの既に(ハックされないように)移動されていますが、Web3はまだ黎明期です。
だからWEBACYは、その2つの方法で取り組んでいます。
知識不足に対してはウォレットの監視です。あなたのウォレットのすべての取引や何が起きているのかを知ることができます。
怠惰に対しては、技術でカバーできるようシステムをいくつかは構築中で、次のステップとして準備中しています。

Danny:Maikaはマイクロソフトでセキュリティに関する仕事をしていましたが、Web2セキュリティについてどう考えていますか?Web3セキュリティとの違いは何ですか?

Maika:大して変わらないと思うんですけどね。ただ、セキュリティの必要性が高くなっただけです。
Web2はWeb3の中核的な存在で、私たちが使っている多くのWeb3のアプリはインターネット上にあります。つまり、ブラウザを利用したり、スマホを使うことで、Web3ウォレットにアクセスすることができるのです。
つまり、Web2(物理的な世界のすべて)がWeb3のセキュリティの一部なのです。さらに、スマートコントラクトのセキュリティ監査や、昨年起きた大きな問題の1つのブリッジのセキュリティなども加わります。
という感じで、より高いセキュリティが必要になるわけです。

Alvin:Web2セキュリティとWeb3セキュリティの大きな違いのひとつは、自分の行動には自分で責任を持つ必要があります。
Web2の世界では、ガイドや中央集権的な組織に頼ることで、自分の身を守ることができましたよね。Web3の世界を探索する最善の方では、自分の資産を守ることです。そのガイドを提供することで、その手助けをすることができると考えています。

Danny:その通りですね。 Sizukaはどのように考えているのでしょうか?

Sizuka:多くの新規のWeb3ユーザーにとって、Web3の世界に足を踏み入れたときに疑問に思うことは、「自分のデータをどうやって守ればいいのだろう?」ということです。
どのようにすれば鍵が攻撃者に盗まれることなく、自分の資産を追跡できるか、そして保護されるのか。そのためには、非常に信頼性の高い、プライバシーとセキュリティを強化する技術が必要です。
ソリューションプロバイダーとして、プロジェクトやウォレット、デジタル資産の取引システムなど、あらゆるデータが漏れないようなインフラになることが初心者に求められている思います。
ですから、私たちのコミュニティでは、あらゆる技術やプロジェクトを提供する以前に、最も重要なのはセキュリティなのです。つまり、データが漏れることなく、お客様のお金が守られることです。それが私たちの優先事項です。また、WEBASYやBEOSINのような様々なプロジェクトと一緒に仕事ができることも非常に嬉しく思っています。実はBEOSINは、とあるセキュリティ・プロジェクトにおける私たちの顧客です。

Danny:さて、次はKEKKKAIの番です。私たちは「ユーザーが署名メッセージやスマートコントラクトコードを理解できない」という問題にフォーカスして解決しようとしています。

私たちが直面している一番の脅威はフィッシング詐欺です。フィッシング攻撃とチェーン攻撃の両方を含んだ昨年の被害総額は38億ドルで、莫大な額です。
私たちはフィッシング攻撃について重点的に取り組んでいます。知識部分については、NFTやトークンを取引する際に、ユーザーにはもっと多くの情報を知ってもらいたいと考えています。
そして、より多くの情報を知っていればいるほど、より安全に決断を下すことができます。そこで私たちは、すべての取引(で何が起きているか)をより明確にするために、すべての取引をシュミレーションし、NFTトークンに関する多くの情報を収集し、ユーザーが対応しようとしているスマートコントラクトのバックドアを表示するようにしています。
Web3のセキュリティで一番重要なポイントは、Web3サービスを利用する場合、ログインするために銀行口座を使っているような状態です。多くのdAppsはログインするための署名を利用しているからです。
Web2ではログインはGoogleメールのID、支払いはGoogle Payなど、分けられています。一方でWeb3の主要なウォレットサービスではそれが一体になっています。

では、3つ目の話題に移ります。
今ここにいる全員が、将来的にWeb3のマス・アダプションが行われると考えていると思います。
その時、Web3の世界をより安全安心なものにするためにどのように構築すべきでしょうか。そして、その理由は何でしょうか。Maikaはどうですか?

Maika:Web3では、シードフレーズが仕組み的に最も愚かなモノのひとつだと思います。これだけ素晴らしい、新しい技術を持っているのに、紙切れ一つにパスワードを保管するわけでしょう?
このギャップがあるのは本当に不思議です。そのため、多くの人にとってたくさんの参入障壁があるのだと思います。私が最初にイーサリアムに参入したときは、coinbaseのアカウントを作り、KYCをして、銀行口座からお金を振り込んで購入し、それをMetaMaskに送って、使う時はMetaMaskのアドレスを記入するという方法でした。
だから、例えば私の両親にとって、そういうことをしようと考えること自体が、超大変なことなんです。そして、そこに多くの資金が集まっているのです。暗号の世界にいる人たちは、一般的にもう少し若い人たちです。
ですから、マスアダプションのためには、ナイキやスターバックスのようなWeb2企業がWeb3に参入する動きが見られます。しかし、それは皆さんが考えているのとはまったく違うものです。従来のクリプトのセルフカストディは、OGのオタクのようなものです。
スターバックスのコーヒーを買うのとは全く違う体験ですよね。だから、2つの陣営があると思うんです。どちらも前進しています。だから、興味深いですね。私自身は、ブロックチェーンでエキサイティングなことが起こるのは、セルフカストディの分野だと考えています。
Web3で何かするために必要なウォレット(MetaMaskやあらゆる便利なウォレット)は、成長し始めています。私たちのプロダクトはそこをターゲットにしています。
しかし、Dannyが言うように本当に簡単で、わかりやすくなければなりませんし、それを実現するためには、みんなが協力する必要があります。

Danny:今後、あらゆるサービスにおいて、オンボーディングが重要と考えているわけですね。

Maika:オンボーディングもそうですが、ユースケースは多くの人にとってさらに重要だと思います。

Sizuka:そうそう、言い忘れていましたが、私たちはカストディの製品も持っています。当社は、多くの監査法人と協力し、プライバシーとセキュリティの強化に努めています。 将来的には、非常に簡単な方法で、シンプルで信頼できるカストディができ、新しく参入する人たちがこれを使えるようになることを願っています。

Alvin:マスアダプションには、セキュリティだけでなく、規制に対応することも重要だと考えています。そのため、私たちはセキュリティサービスだけでなく、KYCソリューションのような記録ソリューションや、チェーンデータからオンチェーン取引をトレースする機能の構築も行っています。
以前、フィッシングに遭って、財布の中の資産とNFTを失ったことがあります。ですから、私は技術者ではありません。Web3の分野に参入するための技術的なバックグラウンドは持ち合わせていないのです。
ほとんどの人も私と同じでWeb3の技術的知識を十分に持っていないと思います。だから、KEKKAIのような製品は、一般の人々にとって非常に重要なのです。
ボタンを押すと、これが何が起こるのかを知るために、より多くの情報を一般の人に提供してくれます。ですから、透明性を確保しながら、責任を持って決断できるのです。
私たちはWeb3スペースをより安全にするために取引所や財布に対する迅速な解決策も提供しています。

Danny:ありがとうございます。Maikaさん、監査が今後どのような役割分担をしていくと思いますか?

Maika:そうですね、皆さんは監査サービスをフォローしているかどうかわかりませんが、面白いトピックだと思います。当社、スマートコントラクトをすべて監査してもらっていますし、他の多くの企業も同様に、監査してもらっています。
しかし、最近Certicは、監査した企業の1社で何かが起こったため、その費用の一部を払い戻しました。このようなことから、監査法人は監査対象やプロジェクトに対して何らかの保険に加入する必要があるのではないかという前例ができたのです。
それで、これは大きな話題になっているのですが、結局のところ、人間が監査しているわけですからね。だから、必要なことではあるけれども、基盤をすべてカバーするために、どのように監査するかということでもあるんです。

Alvin:とあるワークショップが開かれ、報告書によると9種類のスマートコントラクトが用意され、監査役はすべて異なるリスクを発見しました。ですから、1つのスマートコントラクトを見ただけでは、全体像を把握できない可能性があります。
また、スマートコントラクトの監査サービスには、それぞれ異なる基準があります。ですから、この業界で監査人が自らを律することは、とても重要なことだと考えています。


また、私たちのスマートコントラクト監査サービスでは、スマートコントラクトのコードを自動的に検出するツールを構築し、それをAIで強化したシステムと組み合わせています。
このため、スマートコントラクト監査にかかる工数を大幅に削減することができます。そのため、私たちは高品質で費用対効果の高いスマートコントラクト監査を提供しています。

Danny:とても興味深い話をありがとうございました。

ライター所感

今回のイベントでは特にパネルディスカッションで世界的なWeb3企業のキーパーソン同士の意見が聞けて非常に興味深かったです。
Web3のマスアダプションには「Web3の技術を使っていることに気づかせないWeb2とのシームレスな接続」と、何より「Web2の延長上の部分と、新しいテクノロジーの両方に対応したセキュリティ」が不可欠であることを感じました。

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