ASTAR渡辺氏、Startale Labsとソニーネットワークコミュニケーションズの資本提携を発表

6月28日、Startale Labs(スターテイルラボ)CEOの渡辺創太氏が、京都府で開催中のカンファレンス「IVS Crypto 2023」にて登壇し、Startale Labsソニーネットワークコミュニケーションズの資本提携を発表しました。

本記事では発表の内容をまるっと紹介します!

なぜWeb3が社会にアダプションしないのか

Web3ユーザーの人口はまだ1億人くらいだというふうに思ってます。
このWeb3の恩恵を、数十億人の人たちに届ける、これが我々のやりたいことです。
そのために必要なインフラであったりとか、アプリだったりとかユースケースを我々が創出していきたいというふうに考えてます。

では今日なぜ、このWeb3が社会にアダプションしないと言われるのか。

キラーユースケースがまだ存在しない

これは、Web3のアプリケーションが極めて使いづらいとか、わかりづらいとか、実際に世の中で日常に使われているようなキラーユースケースが存在していない、っていうのが我々が考える問題点だと思ってます。

この問題点に対して、どのようなアプローチを我々がやっていくのか、この戦略の部分を話そうと思います。なぜWeb3が社会にアダプションしないのか、その仮説の1番目が、こちらです。ブロックチェーン、Web3ってインターネットと同様に、Layerがあります。

パブリックブロックチェーンとかから始まって、ノードのマネジメントサービス、インデクサー、Wallet、アプリっていうふうになってますけれども、今日、各レイヤーにおいて1兆円プレイヤーがいます。それはブロックデーモン(Blockdaemon)だったりとか、ザ・グラフ(The Graph)だったりとか、メタマスクだったりとかです。

ただ、このレイヤーを垂直統合型で、サービスを展開している世の中の企業が本当に少ない。
ほぼゼロと言っても過言ではないのが、今現在です。
あまりWeb3-Web3ってのをやってない方々もいらっしゃると思うので、わかりやすく言うと、今世の中にエンジンの専門家、ドアの専門家、バンパーの専門家がいるんですけれども、車を作る専門家がいないっていうのが、Web3の現状なのではないかな、と我々は考えてます。

アプリケーションを作ったときに、ウォレットをみんな使うわけですね。
ウォレットを作ったときに、ノードを使わなくちゃいけない。
ノードを使うためにはブロックチェーンがなくちゃいけない。
入れ子構造になってるんですけれども、下側の方が本当に使いづらいので、アプリケーションでできることが限られてしまってるというのが現状です。

既存金融とWeb3をブリッジできる存在が少ない

そしてもう1個の「なぜWeb3が社会にアダプションをまだしていないのか」といったところですけれども、既存金融とWeb3、これをブリッジできる存在、これが本当にまだまだ世の中に少ないっていうふうに考えてます。

具体的な数字を出すと、Web3のマーケットキャップって大体$1.2trillionぐらい、100兆円ぐらいです。
一方で、既存金融のマーケットのサイズって、$109trillionぐらいなんですね。100倍違う。
なので、我々Web3のプレイヤーはもっとこちらの大きなマーケットのところから、アセットだったりとか、人だったりとか、資源を引っ張ってこなくちゃいけない、と考えています。

その上で、我々Startale Labsの戦略は、今、技術的に一番難しいとされているLayer1ブロックチェーンを3年ぐらい作ってきたので、ここから上のLayerを徐々に作っていくっていうことをやろうとしてます。

最終的には我々がこのWeb3の世界でAIの世界でChatGPTに当たるようなキラーユースケースを日本発で作っていくってことをやりたい。
それができればきっと日本の経済が良くなると思うんですね。
これを5年以内にやろうと思ってます。
そして、既に三つの大きなアナウンスメントが7月にもう準備してます。

もう一つは、我々の会社が既存金融とWeb3をブリッジできる存在でありたいというとこですね。
こちらはもろもろ出てくるんですけれども、もう既に一つのアナウンスメントが7月に出てくることが決まってます。

今後はWeb3-Webネイティブなパブリックブロックチェーンとかだけではなくて、例えば銀行業だったりとか、暗号資産取引業だったりとかステーブルコインだとか、そういったところをやっていきたいなと考えてます。

Startale Labsとソニーネットワークコミュニケーションズが資本提携

そして、今日僕がこのためにステージに上がってると言っても過言じゃないんですけども、我々が数十億人の人たちが当たり前にWeb3の恩恵を得られるような世界、「Web3 for Billions」を作るための一番最初のアナウンスメントをさせていただきたいな、と考えております。

Startale LabsとソニーネットワークコミュニケーションズがWeb3を支えるグローバルインフラの確立を目指して、資本提携をしました。

ソニーネットワークコミュニケーションズとは

ソニーグループにおいて、NURO光のようなまさに今日のインターネットインフラを25年以上、作り上げてそれを運用してきている会社が、ソニーネットワークコミュニケーションズになります。
そして最近は、IoTやAI、そしてWeb3などの新規事業、こちらはソニーグループの中でやられてるのが、ソニーネットワークコミュニケーションズです。

Startale Labsの一番最初のシードラウンドで、5億円を出資していただきました。
また、ソニーネットワークコミュニケーションズ代表の渡辺潤さんが、我々Startale Labsの取締役として参画をいただく予定です。

ソニーという会社は、僕にとって非常に思い入れがあり、非常にリスペクトを置いている会社です。
最近ソニーの創業の歴史を調べてるんですけども、やっぱり戦後の焼け野原から、まさにこの国の経済を作ってきた会社だというふうに認識してます。

海外に行くことが僕も多いんですけれども、どこの国に行っても、ソニーのストアがあったりとか、ソニーのイヤホンを持ってる人がいたりだとか、プレイステーション5で遊んでる人たちがいたりとか、僕もその1人なんですけれども、日本人として非常に誇らしいんですね。

ソニーが戦後作ってきた日本ってのを、これからの領域であるWeb3において、我々Startale Labsがソニーネットワークコミュニケーションズさんと協業させていただく。
これによってこれからの日本、そしてWeb3業界を作っていきたいなと強く考えてます。

ソニーネットワークコミュニケーションズ代表の渡辺潤さんのコメント

この資本提携に当たり、ソニーネットワークコミュニケーションズ代表の渡辺潤さんからコメントをいただいているので、読み上げさせていただきます。

今回先進的なWeb3技術と知見を有するStartale Labsと連携を強化することができ、嬉しく思います。
これまでStartale Labsとは、インキュベーションプログラムを共同で開催するなどの活動を通して、Web3の発展に向けて協力してまいりました。
資本提携により、Startale LabsのWeb3に関する知見や技術力をソニーネットワークコミュニケーションズが培ってきた経験や事業分野と融合することによって、Web3時代を支えるインフラを作っていきたいと思います。
このパートナーシップが、Web3の技術を用いた新しいキラーユースケースの創出やまだ見ぬ価値の提供に寄与することを期待しています。

こちらにも書いていただいている通り、本気でWeb3のキラーユースケースとして、世界を変えるようなインフラ、こちらをソニーネットワークコミュニケーションズさん、そしてソニーグループと一緒に作っていきたいと考えております。

元ソニーCEO出井伸之さんへの想い

そしてこの報告を、この中で一番最初にお伝えしたい方が出井伸之さんです。
昨日出井さんのオフィスに行って、あらかじめご報告をさせていただいたんですけれども、元ソニーのCEOの方です。
残念ながら昨年お亡くなりになってしまったんですけれども、1995年に出井さんがソニー本体の社長のときに現ソニーネットワークコミュニケーションズを設立しました。

そして、2020年にアスターネットワークの第3番の投資家として参画いただいています。
当時僕ら社員数3人しかいなくて、何をやるのかわからないようなときに、出井さんから
「創太君はグローバルで通用するプラットフォームを作りに行きなさい。Web2の時代には、このプラットフォームを日本から作れなかったけど、ブロックチェーンを用いてWeb3で世界で戦いなさい。」
と強く背中を押してもらいました。
なので、この資本提携を通して、天国にいる出井さんに良い報告ができるように、我々としては本気で世界で勝ちに行きたい、と考えてます。

「日本で生まれた、世界のStartale」を目指す

日本で生まれた世界のStartale、これは実は盛田昭夫さん、ソニーの創業者が、当時日本を出てアメリカに挑戦する時に、当時英語は達者ではなかったと思います。僕も達者じゃないんですけども、ニューヨークの事務所で、盛田昭夫さんの執務室の後ろにかけられた掛け軸が「日本で生まれた、世界のソニー」でした。

僕らも今このWeb3という領域において、Web3が今国が推していただいてますけれども、次の日本を作っていくような巨大産業になる。そうしなければならないというふうに考えております。
世界で挑戦するにあたって、「日本で生まれた、世界のStartale」と言われるように一生懸命頑張っていきたいなと考えてます。

また、ここから徐々に自分たちのプロダクトを出していきますけれども、今Layer1ブロックチェーンを作ってるので、これをエコシステムを大きくしていきながら、ステークホルダーの皆さんと大きくしていきながら、我々としては、ノードのマネジメントとかインデックサーとか、本当に今のインターネットみたいに、ユーザーとか開発者が全くWeb3なんてことも知らずに当たり前のようにWeb3を使ってるようなインフラを作っていきたいと考えています。

Startale Labsの5年計画

そしてこちらがマスタープラン、5年の計画ですけれども、今年中、1年以内に日本を代表するような企業群と、インフラレベルで、協業を開始していきたいと考えてます。
ソニーさんが今回ファーストステップなので、ここを絶対に成功させたいと考えてます。

2年以内に垂直統合型で、誰もがWeb3を使えるようなBaaSを提供していきたいと考えてます。

4年以内に今までのこのWeb3のマーケットだけじゃなくて、既存金融と言われるところとの橋渡しをできるような企業でありたいなと考えています。

5年以内に自分たちが持っているインフラ群、そして公共ホルダーの皆さんと一緒に大きくしていくパブリックブロックチェーンをもとに、既存金融とWeb3を繋ぎ合わせて、マスアダプションするようなキラーユースケースを日本から作っていきたいと思っています。
まさにAIの領域におけるChatGPTみたいなキラーユースケースを日本発で世界に持っていきたいな、というふうに考えてます。

今がチャンス

最後になりますが、やはり日本人として、今デジタルのところで、いろいろ負けが続いていて、新しいWeb3の領域において、日本今が今非常にチャンスだと考えてます。
今政府の後押しもありますし、大企業の皆さんが本当にWeb3に対して前向きに考えていただいてるので、ここで我々が日本を代表して結果を出しにいくっていうところが非常に重要だと考えてます。

数年後、「日本で生まれた、世界のStartale」だと日本だけじゃなくて、世界中で言われるように、自分たちがガラスの天井をブチ破っていきたいなと思ってます。
今回のソニーネットワークコミュニケーションズさんとの資本提携は、自分たちにとっては始まりです。ここから様々な協業だったりとか、一緒に事業を仕掛けていくので乞うご期待ください。

また、Startaleはこれまで、ステルスモードだったんですけれども、これからギアを変えてどんどん出ていくので、Startaleで働きたいよって方、今後のWeb3を一緒にやっていきたいよって方、絶賛採用をしておりますので、直接僕まで来てください。

まだまだ言葉が先行し過ぎてるんですけども、実際日本を代表できるように、これから本当に一生懸命やっていきます。なので皆さん引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

今日はご清聴いただきまして誠にありがとうございました。


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