【観光客むけ】中国のデジタル通貨がクレジットカードに対応

中国のデジタル通貨「e-CNY」アプリのアップデートにより、訪中外国人はVISAとMastercardでの決済を利用したデジタル人民元の使用が可能になります。

e-CNYとは

e-CNYとはデジタル人民元のことです。
中国の中央銀行である中国人民銀行が発行しているデジタル通貨(CBDC=Central Bank Digital Currency)です。
ブロックチェーンは使用されていません。

e-CNYとAlipayやWeChat Payとの違い

中国ではAlipayとWeChat Payがモバイル決済手段の国内シェアの9割を占めています。
その中でe-CNYの必要性が疑問視されていますが、中国政府によると

ⅰ)第三者プラットフォームを経由せず
ⅱ)ネットに接続しなくても決済が可能で
ⅲ)銀行口座がなくても利用でき
ⅳ)業者に個人情報を取得される心配もなく
ⅴ)現金に交換する際にも手数料が発生しない
ⅵ)法定通貨なので支払いの際に受け取る側が拒否できない

旭リサーチセンター「正式発効へと着実に歩を進める”e-CNY”」

といったメリットを挙げています。

e-CNYのアップデート

e-CNYアプリで新たに開始された「使用前にチャージ」機能により、外国人は世界的な決済ネットワークVisaおよびMastercardのオンラインサービスを利用してアプリのウォレットにチャージできるようになります。
訪中外国人は銀行のサービス窓口に行き、デジタル人民元ウォレットに現金をチャージすることができます。
その後、デジタルウォレットにデジタル人民元が残っている場合は、チャージに使用した銀行カードまたは口座に返金することができます。
アプリは中国のApple App StoreまたはGoogle Play Storeからダウンロードでき、デジタル元のウォレットの作成が簡単に行えます。
iOSアプリのバージョン1.1.1は、アジア競技大会の開催にあわせてリリースされました。
中国は積極的に海外からの観光客に対してデジタル元を受け入れるテストを実施しており、これにより海外からの観光客も中国での支払いにデジタル元を利用することが可能になります。
このアップデートにより、訪中外国人も中国国内ユーザーと同様に便利なオンライン決済手段を利用できるようになります。

まとめ

とあるテレビ番組でインタビューに答えた中国人が「ニセモノの可能性があるので現物貨幣は使わない」と言っていたことが印象的でした。
デジタルになるとニセモノの心配がなくなります。
一旦銀行に行く手間はありますが、不慣れな通貨で現金払いをするよりは、会計時のストレスが減りそうです。
一方で中国では個人情報は国家の利益や安全性を脅かす要因とみなされることがあり、中国政府は積極的に個人情報の管理や制御に取り組んでいます。
中国人民銀行の発行するデジタル人民元を使用することにより、決済情報を中国政府に把握されることになります。
情報を把握されても決済の利便性を取るか、ニセモノの貨幣を使ってしまうリスクと決済時の不便性を取っても現物貨幣決済を行うか、あなたの選択次第です。

記事ソース
New e-CNY feature to benefit foreigners
Digital Yuan Wallets Now Accept Visa and Mastercard for Tourist

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