流動性断片化の危機:LidoとLayerZeroのブリッジ論争解説
この記事では最近のLidoとLayerZero間でのブリッジ問題についての詳細な解説を行います。
対象読者:
- DeFi(分散型金融)に興味を持つ人
- 特にLidoとLayerZeroの動きに注目している人
LidoとLayerZero:一体何が起きているのか
Lidoのコミュニティでは、Avalanche・BNB Chain・ScrollへのstETHのクロスチェーン転送を支持するかどうかが熱く議論されています。
その中で、LayerZero Labsが新しいブリッジを展開しました。
コミュニティの反応
Lidoのコミュニティは、LayerZero・Avalanche・BNB Chainが誤解を招くマーケティングキャンペーンを行っていると批判しています。
ガバナンスとセキュリティの課題
Lidoはこのブリッジが公式でなく、監査も受けていないと明言しています。
そのため、ブリッジを使用する際には細心の注意を払うよう呼びかけてます。
LayerZeroのOFTプロトコルとは
LayerZeroは、Ethereum Virtual Machine(EVM)と互換性のあるチェーンでの転送を容易にするOmnichain Fungible Token(OFT)標準を導入しています。
- Omnichain Fungible Token(OFT)とは?
- LayerZeroがブロックチェーンの相互運用性を改善するために立ち上げた標準です。
あらゆるアプリケーションがLayerZero Endpointスマートコントラクトから様々なチェーンにわたって統一されたトークン標準をネイティブにMintしたりBurnすることを可能にすることで、ブリッジに関連する問題の解決策を提示します。
増えるリスク要素
Lidoコミュニティは、LayerZeroのOFTプロトコルがLidoに追加のリスクをもたらす可能性があると警告しています。
流動性の断片化の懸念
wstETHの流動性が「LayerZeroのOFT」と「Lidoのネイティブデプロイ」の間で断片化する可能性が指摘されています。
すでにレイヤー2ネットワークの「Scroll」がレイヤー 1とレイヤー2間でネイティブなブリッジを持っています。
これが流動性の断片化を加速する可能性があります。
- wstETHとは
- Wrapped stETHの略。DeFiプロジェクトのLido Financeが発行するトークンです。
stETHを預けると受け取ることができ、保有するだけで報酬を得られます。
参考記事:仮想通貨wstETHとは|stETHと比較しつつ解説
結論:コミュニティとガバナンスが重要
この問題は、DeFiコミュニティにおけるガバナンスとコミュニケーションの重要性を再確認させています。
オピニオン
ブロックチェーンの根幹はパーミッションレスにあります。
しかしLayerZeroのような実績のあるプロトコルが好き勝手にトークンをブリッジしてしまうことによって、流動的の断片化を招きます。
トレードオフではありますが、結局行く末を判断するのは市場であり、どこに資産を置くかは自由です。
LayerZeroはLidoの許可を得ていないことは明記した上で、自由にトークン移転する分には構わないでしょう。
LayerZeroが野良プロジェクトではなく、影響力があるのに好き勝手している点が、Lidoコミュニティの逆鱗に触れている問題だと思われます。
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記事ソース:LayerZero Deploys stETH Bridge Without Approval From Lido Governance